NY為替見通し=FOMCドットプロットの結果が大きく左右、ドル買いセンチメントは継続か

 本日のNY市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表と、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見が最重要になる。特に今回は四半期に一度発表される経済予測の概要(SEP=Summary of Economic Projections)も公表されることで、ドットプロットの結果などでも乱高下が予想される。

 昨年12月に発表されたドットプロットは、2024年に3回、2025年に4回、2026年にさらに3回の利下げを想定することを示唆した。それまでの2024年末の中央値予想が5.00-5.25%から4.50-4.75%へと、利下げ予想を変更したことでドルは大幅に急落した。
 しかし、FOMCの投票権を保持している者と非投票者を含む19人のFOMCメンバーのうち2人が、前回から修正をするだけで、2024年のドットプロットは2回の利下げへと転じることになり、ここ最近のインフレ指標の上振れを考えると、2回に変わることは濃厚と言えそうだ。

 為替市場はドットプロットだけの観点では、これまで通り今年3回の利下げ=中央値4.625%(4.50-75%)が維持された場合はドル安に動き、2回の利下げへ変更された場合=中央値4.875%(4.75%-5.00%)には、ドル買いに反応すると思われる。また、2回の変更となった場合でも、参加メンバーがどれだけハト派姿勢を弱めたかにより、ドル買いの反応の濃淡が分かれることになりそうだ。

 上述のようにSEPやパウエルFRB議長の会見次第の値動きにはなるだろうが、昨日の日銀政策決定会合後からのドル買い意欲が強いことで、ドル円がベアトレンドに戻るには余程ハト派姿勢とならない限り難しいだろう。いささか、ドルの上昇スピードが速かったことで、日銀政策決定会合前の高値近辺まで調整のドル売りが入る可能性もあるかもしれないが、ドル買いのセンチメントを変えるのは難しいか。

・想定レンジ上限
 ドル円は、2022年10月21日高値151.95円、その上は1990年7月6日高値152.30円。

・想定レンジ下限
 ドル円は、昨日の日銀政策決定会合発表前の高値 149.39円付近。


(松井)
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