ニューヨーク外国為替市場概況・27日 ドル円、反落

 27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は151.33円と前営業日NY終値(151.56円)と比べて23銭程度のドル安水準だった。田村直樹日銀審議委員の発言がハト派的と受け止められたことをきっかけに、東京市場では一時151.97円と1990年7月以来約33年8カ月ぶりの高値を付けた。
 ただ、これを受けて財務省・金融庁・日銀による3者会合が開催されると、政府・日銀による為替介入への警戒感が高まり一転下落した。神田財務官が「過度な為替変動に対してあらゆる手段を排除せずに適切な対応をとる」「(介入の可能性について)文字通りあらゆる手段を排除しない」と述べたことも相場の重しとなり、20時30分過ぎには一時151.03円と日通し安値を更新した。
 もっとも、そのあとは次第に値動きが鈍った。本日は重要な米経済指標の発表などもなく、米長期金利の動向などを眺めて151円台前半から半ばでの狭いレンジ取引に終始した。29日の2月米PCEデフレーターなど、注目度の高いインフレ指数の発表を控えて様子見ムードも広がった。

 ユーロドルは小幅続落。終値は1.0828ドルと前営業日NY終値(1.0831ドル)と比べて0.0003ドル程度のユーロ安水準だった。月末・期末が近づく中、対欧州通貨中心にドル買いが先行すると一時1.0811ドルと日通し安値を付けたものの、イースター(復活祭)の連休を前に積極的な売買は手控えられたため下値も限定的だった。今日一日の値幅は0.0028ドル程度と小さかった。

 ユーロ円は3営業日ぶりに反落。終値は163.75円と前営業日NY終値(164.16円)と比べて41銭程度のユーロ安水準。アジア時間に一時164.42円と本日高値を付けたものの、21時過ぎには為替介入への警戒感から163.44円の本日安値まで一転下落した。ただ、そのあとは163円台後半で値動きが細った。ドル円と似た動きとなった。

本日の参考レンジ
ドル円:151.03円 - 151.97円
ユーロドル:1.0811ドル - 1.0839ドル
ユーロ円:163.44円 - 164.42円

(中村)
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