ロンドン為替見通し=グッドフライデーでも仏CPIは発表、昨日は仏中銀総裁がハト派発言

 本日のロンドンタイムの為替市場は、参加者が通常より少ないことが見込まれ、流動性悪化のなかで神経質な動きとなりそうだ。聖金曜日(グッドフライデー)で、欧州は独・仏・スイス、スウェーデンやノルウェー、そして英国が休場となる。

 東京午前からユーロドルは、本邦勢からのユーロ売り円買いに引きずられて昨日安値1.0775ドルを割り込んだ。しかしながら流動性が薄いなかでの動きのため、明確なトレンドとは言いづらい。暫くは、フローが出た方に振れて、さばき切れたら止まるという動きが繰り返されそうだ。

 フランスではグッドフライデーが国の祝日ではないため(株式市場などは休場)、本日は3月消費者物価指数(CPI)速報値が発表予定。市場予想は前月比0.5%/前年比2.6%と前回の0.9%/3.0%から減速が確実視されている。通常は為替への影響が薄い指標ではあるが、昨日の仏中銀総裁の発言もあり、結果次第では相場の動意に繋がるかもしれない。

 ビルロワドガロー仏中銀総裁は昨日、「2%のインフレ目標が視野に入ってきた」と述べ、この春にも緩やかな利下げが実施される可能性にも言及した。グッドフライデーの前日ということもあり短期金融市場の反応は鈍く、昨日の時点では4月11日の欧州中央銀行(ECB)会合における利下げ織り込み度は10%程度。しかしながら仏CPIが本日、もし想定以上の鈍化となれば、イースター明けの欧州金利低下を織り込む形でユーロが下値を試すかもしれない。

 仏CPIを無風で通過するようであれば、ニューヨーク序盤の2月米PCEデフレーター待ち。それまでは、完全な凪相場となるだろう。


想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の上限1.0803ドルが目先の上値めど。超えると、200日移動平均1.0836ドル、日足一目・転換線1.0859ドルなどが次の目標値。

想定レンジ下限
・ユーロドル、2月19・20日安値1.0762ドルを割り込むと、同月14日安値1.0695ドルが意識される。


(小針)
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