ニューヨーク外国為替市場概況・4日 ドル円、反落

 4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は151.34円と前営業日NY終値(151.70円)と比べて36銭程度のドル安水準だった。明日5日の3月米雇用統計の発表を前に様子見ムードが広がると、しばらくは151.70円を挟んだ狭いレンジ取引が続いた。
 ただ、「イランは48時間以内にイスラエルを攻撃する可能性」との一部報道などを受けて、中東の地政学リスクが高まると原油先物価格が急騰し、米国株相場が一転下落。為替市場ではリスク・オフの円買いが強まった。前日の安値151.44円を下抜けると一時151.12円まで値を下げた。
 もっとも、円以外の通貨に対してはリスク・オフのドル買いが入ったため、下値は限定的だった。カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が「インフレの進展が停滞すれば米連邦準備理事会(FRB)は今年利下げしない可能性」と述べたほか、バーキン米リッチモンド連銀総裁が「利下げまでに時間かけるのが賢明」と指摘。ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が「インフレ率は依然として高すぎる」との考えを示したこともドルを下支えした。

 ユーロドルはほぼ横ばい。終値は1.0837ドルと前営業日NY終値(1.0836ドル)と比べて0.0001ドル程度のユーロ高水準だった。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容となったことを受けて、全般ドル売りが先行。22時30分過ぎに一時1.0877ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、中東情勢が緊迫化するとの懸念が高まったことなどから、高く始まったダウ平均が一時560ドル超下落するとリスク・オフのドル買いが優勢に。5時過ぎには1.0832ドルと日通し安値を更新した。FRB高官からタカ派的な発言が相次ぎ、米利下げ観測が後退したことも相場の重しとなった。

 ユーロ円は3営業日ぶりに反落。終値は164.03円と前営業日NY終値(164.38円)と比べて35銭程度のユーロ安水準。ユーロドルの上昇につれた買いが先行したほか、日経平均先物の上昇に伴う円売りが出ると、24時前に一時164.92円と日通し高値を更新した。
 ただ、米国株や日経平均先物の急落をきっかけにリスク回避の円買いが強まると163.80円の本日安値まで一転下落した。
 なお、ナイト・セッションの日経平均先物は一時4万0010円まで上昇したものの終盤失速し、大証終値比740円安の3万9080円まで急落した。

本日の参考レンジ
ドル円:151.12円 - 151.77円
ユーロドル:1.0832ドル - 1.0877ドル
ユーロ円:163.80円 - 164.92円

(中村)
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