NY為替見通し=円買い介入に警戒しつつ、3月米PPIや30年債入札に要注目

 本日のNY為替市場のドル円は、3月米卸売物価指数(PPI)や30年債入札に注目する展開となる。約34年ぶりの円安水準でもあり、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入に対する警戒は怠らないようにしておきたい。

 2022年9月の本邦当局による円買い介入(※東京時間17時半)は岸田首相の訪米中だったこともあり、訪米した今回も注意は必要か。また、同年10月21日の為替介入はNY市場、東京時間23時半頃に実施された。
 
 3月米PPIは前月比+0.3%/前年比+2.2%、同コア指数は前月比+0.2%/前年比+2.3%との予想。昨日の米3月消費者物価指数(CPI)が予想より強かったため、本日のPPIに対する警戒感が高まっている。予想比上振れとなれば、米・中長期債利回りの上昇に勢いがつき、ドル高にも拍車がかかることになるだろう。

 また昨日は、10年債入札が不調だったことで同年債利回りが上昇し、こちらもドル買いに繋がった。そのため、本日予定の30年債入札にも注目が集まりそうだ。

 なお本日は、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、バーキン米リッチモンド連銀総裁、コリンズ米ボストン連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁の講演が予定されている。米3月CPIを受けた見解、利下げ開始時期への言及に注目しておきたい。

 昨日のCPIを受け、米金利先安観が一層後退した。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、利下げ開始時期は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)となっている。また、年内の金利引き下げは1回のみを織り込んだ状態。

 NY勢参入後に発表される欧州中央銀行(ECB)理事会の結果は、政策金利の据え置きが見込まれている。ラガルドECB総裁は、先日、今月末に公表されるユーロ圏の賃金データを見極めてから、6月の理事会での利下げ開始を検討すると述べており、本日の会見内容に注目しておきたい。

・想定レンジ上限
・ドル円:153.70円(ピポット・レジスタンス1)
・ユーロドル:1.0805ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:165.35円(3/20高値)

・想定レンジ下限
・ドル円:152.03円(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロドル:1.0695ドル(2/14安値)
・ユーロ円:163.90円(日足一目均衡表・転換線)

(山下)
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