ロンドン為替見通し=暫くポンド主導の相場か、序盤に英インフレ指標の発表

 本日のロンドン為替市場は、序盤に発表される英インフレ指標を受けたポンドの動きに暫く影響されそうだ。3月英消費者物価指数(CPI)は前年比3.1%と前回から0.3ポイント低下が予想され、見込み通りであれば2021年9月の水準に並ぶことになる。同コアも減速がほぼ確実視されており、前年比4.1%が市場予想。

 昨日発表された英国の12-2月における週平均賃金(除く賞与)は6.0%と、伸び率が2022年9月以来の低水準となった。同時期の失業率(ILO方式)も4.2%と想定より悪化しており、今後は労働市場からのインフレ圧力は緩和されるとの見方が広がっている。

 3月英CPIが予想通りとなれば、英中銀(BOE)のインフレ目標2%が視野に入りつつあると言っても良いだろう。BOE予測では24年4-6月期にはCPIが2%を若干下回るとされているため、インフレ鈍化の道筋はサプライズではない。ただし、米国ではインフレのしつこさが懸念されて金利先安観が大きく後退するなか、米英の金利差という面ではポンド売りが出やすい地合いではないか。

 ユーロドルに関してはポンド主導の動きでユーロポンドの影響も受けると思われ、単純なポンドドルに追随とはならないかもしれない。しかしながら、このところ欧州金融当局者から利下げについての言及が相次いでいるなかで、ユーロの上値が重いのは確か。もしポンドドルが軟調となれば、さすがにユーロドルも下値余地を試す場面もありそうだ。

 なおユーロ圏からは本日、改定値ではあるが3月消費者物価指数(HICP)が発表予定。総合・コアとも速報値から横ばいの2.4%と2.9%が予想され、圏内のインフレ鈍化基調を確認することになりそうだ。

 他、南アフリカからも3月CPIが発表され、前年比5.4%と前回から伸び率減速が見込まれている。一部エコノミストの見立て「インフレは前回2月5.6%でトップアウト」に対する判断は今回だけでは難しいが、もしインフレの落ち着きが感じられれば南ア経済にとってはポジティブ材料となる。

想定レンジ上限
・ユーロドル、11日安値1.0699ドル
・ポンドドル、11日安値1.2511ドル
・ランド円、9日高値8.24円

想定レンジ下限
・ユーロドル、2023年11月2日安値1.0568ドル
・ポンドドル、2023年11月17日安値1.2374ドル
・ランド円、3月29から4月2日まで3営業日連続の安値7.98円


(小針)
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