株式明日の戦略-38000円を割り込み安値引け、悪い流れを断ち切れるか

 17日の日経平均は大幅に3日続落。終値は509円安の37961円。米国株は3指数がまちまちとなったが、寄り付きは3桁の上昇と強めに始まった。しかし、すぐに失速してマイナス転換。下落銘柄も多い中、一気に下げ幅を300円超に広げた。

 38100円台でいったん盛り返し、前引けにかけては下げ幅を2桁に縮小。後場のスタート直後にはプラス圏に浮上した。しかし、そこで売り直されると、14時辺りからは大きく値を崩す展開。オランダの半導体大手ASMLの決算が市場の期待に届かなかったことが伝わり、レーザーテック<6920.T>を筆頭に半導体株が売り込まれた。強弱感が交錯していたところで終盤に悪材料が出てきたことで、引けにかけては買い手不在の状態に。節目の38000円も下回って下げ幅を500円超に広げ、安値引けとなった。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆5000億円。業種別ではプラスは海運とその他製品の2業種のみで、化学が小幅な下落にとどまった。一方、電気・ガス、石油・石炭、鉱業などの下げが大きかった。前24.3期の決算速報値の内容が好感された東洋証券<8614.T>が大幅上昇。半面、全体のセンチメントを大きく悪化させたレーザーテックは、14時前までは横ばい圏で推移していたが、引けでは8%近い下落となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり226/値下がり1388。上方修正を発表したレゾナックHDが買いを集めて12%高。川崎汽船など海運株が地合いの悪い中で逆行高となった。証券会社のリポートを手がかりに三菱重工と川崎重工の重工2社が大幅上昇。サービスの値上げを発表したネオジャパンが急伸した。半導体株の弱さが目立った1日ではあったが、TOWAや芝浦メカトロニクスなど一部の銘柄には強い動きが見られた。

 一方、アドバンテストやソシオネクストが大幅安。売買代金上位銘柄では、さくらネット、三井E&S、OLCなどの弱さが目立った。東電HD、九州電力、北海道電力など、需要拡大期待から人気化していた電力株が軒並み安。富士石油は出光興産との資本業務提携を発表して買いが先行したものの、急失速して6%台の下落で終了。出光興産も大幅安となった。ネガティブな材料のあった中小型株には厳しい地合いとなり、下方修正を発表したオプティマスGや、公募・売り出しを発表したエフコードがストップ安となった。

 日経平均は大幅安。14時まではプラス・マイナス、どちらで終えるか分からないような雰囲気があったが、半導体株が崩れて一気に弱気に傾いた。ASMLの決算が良ければ大幅高のシナリオもあったのかもしれないが、こればかりは仕方ない。あすは台湾のTSMCが決算を発表予定。目先は半導体株の振れ幅が無駄に大きくなり、他の多くの銘柄もそれに振り回されることになりそうだ。

 きょうも大きく下げたことで、75日線(37780円、17日時点、17日終値は37961円)に接近してきた。今週に入って3日間で約1500円水準を切り下げており、値ごろ感は出てきている。流れが変わるとするならこのテクニカルの節目辺りが有力で、反転できれば地合いが一変する展開も期待できる。38000円まで割り込んでしまったのはさえない動きであったが、これでアク抜け感が出てくるかに注目したい。
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