NYマーケットダイジェスト・17日 株安・金利低下・原油安・ドル安

(17日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.39円(前営業日比▲0.33円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.77円(△0.48円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0673ドル(△0.0054ドル)
ダウ工業株30種平均:37753.31ドル(▲45.66ドル)
ナスダック総合株価指数:15683.37(▲181.88)
10年物米国債利回り:4.58%(▲0.08%)
WTI原油先物5月限:1バレル=82.69ドル(▲2.67ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=2388.4ドル(▲19.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反落。節目の155円を目前に政府・日銀による為替介入への警戒感が高まる中、米長期金利の低下に伴う売りが出た。半面、米利下げ開始時期が後ずれするとの観測を背景に押し目を拾いたい向きは多く、しばらくは154.60円を挟んだもみ合いが続いた。
 ただ、日米韓が初となる財務相会合を開き、「最近の急速な円安・ウォン安への日韓の深刻な懸念を認識し、外国為替市場の動向について引き続き緊密に協議する」と盛り込んだ共同声明を発表すると、円買い・ドル売りで反応。堅調な米20年債入札を受けて米長期金利が低下幅を拡大したこともドル売りを促し、3時過ぎには一時154.16円と日通し安値を付けた。
 なお、鈴木財務相は「日米韓の財務相会合で為替について意見交換した」「為替について日米での意思疎通を確認した」と述べたほか、神田財務官は為替について「必要であれば適切な行動取るのは変わらない」「あらゆる手段を排除せずということに尽きる」などと話した。

・ユーロドルは6日ぶりに反発。米長期金利の低下などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。いったんは前日の高値1.0654ドル手前で伸び悩んだものの、米20年債入札後に米金利が低下幅を広げると全般ドル売りが優勢となり、一時1.0680ドルと日通し高値を更新した。
 なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で「米経済活動は2月下旬以降、全体としてわずかに拡大した」と総括し、「雇用は小幅なペースで拡大した」「物価上昇は平均して緩やかで、前回の報告とほぼ同じペースだった」「企業のコスト転嫁がさらに難しくなった」と指摘した。

・ユーロ円は3日続伸。日米韓財務相会合に係る共同声明が出されると一時164.24円付近まで売られたものの、下押しは限定的だった。ユーロドルの上昇につれた買いが入ると、4時前に一時164.81円と日通し高値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小反落。決算内容が嫌気されたトラベラーズが売られ、相場の重しとなった。オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングが発表した決算がさえない内容となったことを受けて、米半導体関連株にも売りが出た。ただ、足もと相場下落が続いたあとだけに、値ごろ感からの買いも入ったため下値は限定的だった。指数は230ドル超上昇する場面もあった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続落し、2月21日以来の安値で取引を終えた。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに、短期的な戻りを期待した買いが入った。20年債入札が「好調」と受け止められたことも相場の押し上げ要因となった。

・原油先物相場は3日続落。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(4/12時点)発表で、原油在庫は積み増しが継続。原油受け渡し地点オクラホマ州クッシングの在庫は積み増しに転じた。在庫の積み増し量が大きくなかったことや、ガソリン在庫が-115.4万バレル(前週 +71.5万バレル)、中間留分(含む暖房油)が-276.0万バレル(前週 +165.9万バレル)と、石油製品の在庫が減少に転じたこともあり、発表直後は底堅く推移する場面もあった。しかし長続きせずに売りを強め、3月28日以来の安値を82.55ドルまで更新した。

・金先物相場は1週間ぶりに反落。中東リスクを材料にリスク回避資産としての金を買う動きは、昨日に終値ベースの過去最高値を2407.8ドルまで更新したところで一服。米金利が高水準で推移するなか、金利がつかない資産である金は重く推移した。昨日のレンジを割り込む2376.50ドルまで下振れる場面があった。金利が低下の流れを強め始めて以降は、下落幅をやや縮小した。

(中村)
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