NYマーケットダイジェスト・10日 ダウ8日続伸・金利上昇・原油安

(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=155.78円(前営業日比△0.30円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=167.76円(△0.13円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0771ドル(▲0.0011ドル)
ダウ工業株30種平均:39512.84ドル(△125.08ドル)
ナスダック総合株価指数:16340.87(▲5.39)
10年物米国債利回り:4.50%(△0.05%)
WTI原油先物6月限:1バレル=78.26ドル(▲1.00ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=2375.0ドル(△34.7ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
                   67.4        77.2
4月米財政収支         2095億ドルの赤字  2365億ドルの赤字

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反発。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.50%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。米ミシガン大学が公表した5月米消費者調査で、消費者態度指数(速報値)は予想を下回ったものの、同時に発表された消費者の期待インフレが予想を上回ったことが分かるとドル買いがさらに進み、24時前に一時155.90円と日通し高値を付けた。
 ただ、前日の高値155.95円が目先レジスタンスとして意識されると上昇は一服し、そのあとは155円台後半でのもみ合いに終始した。
 なお、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事は「政策をもう少し長く現状維持する必要がある」「年内の利下げは正当化されないだろう」と述べたほか、ローガン米ダラス連銀総裁は「利下げについて考えるのは時期尚早」「インフレには重要な上振れリスクがある」との考えを示した。

・ユーロドルは小反落。23時前に一時1.0790ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は一転売りが優勢となった。米消費者のセンチメントは予想を下回ったものの、インフレ期待が予想を上回ったことでドルを買い戻す動きが広がった。24時前には1.0760ドルと日通し安値を更新した。もっとも、NY午後に入ると再び強含み、じりじりと下値を切り上げた。

・ユーロ円は5日続伸。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感が出なかった。NY時間の安値は167.68円、高値は167.96円で値幅は28銭程度だった。

・カナダドルは一時買いが強まった。カナダ統計局が発表した4月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が9.04万人増と予想の2.00万人増を大きく上回り、失業率が6.1%と予想の6.2%より強い結果となったことを受けた。対ドルで一時1.3635カナダドル、対円で114.23円までカナダドル高に振れた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は8日続伸。米利下げ観測が高まる中、この日も株を買う動きが続いた。ただ、米ミシガン大学が公表した5月米消費者調査で期待インフレが予想を上回ると伸び悩んだ。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小反落。テスラが2%超下げた半面、エヌビディアやマイクロン・テクノロジーなど半導体株の一角には買いが入った。

・米国債券相場で長期ゾーンは反落。米ミシガン大学が公表した5月米消費者調査で、消費者態度指数(速報値)は予想を下回ったものの、同時に発表された消費者の期待インフレが予想を上回ると債券売りが優勢となった。

・原油先物相場は3日ぶりに反落。地政学リスクの高まりから一時80ドルに迫る場面があった。ただ、NYタイムに米長期金利が上昇しドル高が進むと、ドル建てで取引される原油の割高感が意識されて一転下落した。

・金先物相場は続伸。パレスチナ自治区ガザの戦闘休止に向けた交渉が合意に至ることなく終了したことで、安全資産とされる金に買いが集まった。

(中村)
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