ロンドン為替見通し=4月インフレ指標でのポンドの動きに注目、ユーロはレンジ相場か

 本日の欧州市場は、ポンドの値動きに要注目となる。本日は欧州入り後すぐの日本時間15時に、4月の英消費者物価指数(CPI)が発表される。ヘッドラインは前年比で3.2%から2.1%へ、コア指数も4.2%から3.6%への低下が予想されている。今月に入りベイリー英中銀(BOE)総裁が「今後数四半期に金利の引き下げが必要になる可能性が高い」と発言していたが、一昨日にはブロードベントBOE副総裁も「夏の間に政策金利が引き下げられる可能性がある」などと発言している。市場予想通りにインフレ指標が順調に低下した場合は、早期利下げ期待が高まりポンドが弱含みそうだ。
 
 一方、市場予想を上振れた場合は、上振れの幅次第でポンドが買われることになる。ただし、その後のBOE高官の講演内容を確かめるまでは積極的に上攻めも難しいか。本日は欧州時間午後に、ブリーデンBOE副総裁の講演が予定されている。昨年の11月から金融政策委員会(MPC)の投票メンバーになり、毎回据え置きに投票している中立派の副総裁だが、CPIの結果を受けてどのような発言をするかに注目したい。

 ユーロドルは、連日非常に狭いレンジ取引に終始している。15日の米CPI以後の値幅は16日が41Pips、17日は42Pips、20日は30Pips、昨日は32Pipsだった。本日はラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の講演が予定されているが、欧州圏からはここ最近は市場を動意づけるような経済指標の発表がなかったことで、市場を動意づけるような発言を期待するのは難しいかもしれない。なお、本日のラガルド総裁の講演は欧州証券市場監督局(ESMA)で録画されたビデオでの発言となることで、質疑応答の予定もなく、市場にサプライズを与えることも難しいだろう。

・想定レンジ上限
 ユーロドル:16日高値1.0895ドル
 ポンドドル:3月21日高値1.2803ドル

・想定レンジ下限
 ユーロドル:日足一目均衡表・転換線1.0828ドル
 ポンドドル:日足一目均衡表・雲上限1.2650ドル


(松井)
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