株式明日の戦略-大幅安も多くの銘柄が上昇、中小型へのシフトが進むか

 30日の日経平均は大幅に3日続落。終値は502円安の38054円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり982/値下がり615。日経平均は500円近く下落したが、値上がり銘柄の方が多かった。三井住友やみずほFGなど銀行株が堅調。売買代金上位では日本郵政、ソニーG、三菱重工などの動きが良かった。コーエーテクモ、DeNA、ブシロードなどゲーム関連に強く買われるものが散見された。高島屋やH2Oリテイリングなど百貨店の一角が大幅高。中期経営計画を発表した阿波製紙がストップ高となった。

 一方、東京エレクトロンやレーザーテックなど半導体株が弱く、アドバンテストは6%を超える下落。東電HDや北海道電力など電力株の下げも大きかった。INPEX、川崎汽船、住友鉱山など市況関連の多くが軟調。日経平均の弱さが目立った中、寄与度の大きいファーストリテイリングとソフトバンクGが2%台の下落となった。今期の見通しや中期経営計画の内容が失望を誘ったサクサHDが急落した。

 日経平均は大幅安。ただ、プライムでは値上がり銘柄の方が多いという奇妙な1日となった。自動車ではトヨタ、ホンダが下落した一方、マツダ、SUBARU、三菱自は上昇。不動産では三井不動産と三菱地所が下落した一方、野村不動産や住友不動産は上昇と、1番手、2番手を嫌ったような動きが見られた。また、グロース250指数は0.2%安と小幅な下落にとどまり、プラス転換する場面もあった。大型株優位の傾向に変化が生じているのかもしれない。

 29日の米国株は長期金利の上昇を嫌気して下落した。金利が上昇すれば株が下がるのは自然な反応で、その手前まではエヌビディアの好決算に酔いしれて金利に対する警戒が甘かった。米国株もこの先は金利動向に神経質となるだろう。ただ、それで株価が調整してくれば投機的な資金が抜けてインフレ加速に対する警戒も和らいでくる。また、株安そのものも金利低下要因となる。ここからは米長期金利の上昇にもブレーキがかかってくると思われる。目先は海外動向の影響を受けづらい中小型株に資金がシフトする可能性があるだけに、ややマイナーな好業績銘柄に着目したい。
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