株式明日の戦略-後場に戻して小幅安、商いが盛り上がるかが焦点に

 28日の日経平均は小幅反落。終値は44円安の38855円。

 米国株が休場で手がかり難の中、方向感に欠ける動きが続いた。小幅安で寄り付き、序盤では買われる場面もあったが、節目の39000円に迫ったところでこれを超えられずに失速。9時台半ば以降はマイナス圏が定着した。ただ、下げ幅を3桁に広げてくると押し目買いが入り、38700円は下回らなかった。高値と安値は前場のうちにつけ、後場は2桁の下落で推移する時間が長かった。引けにかけてやや戻りを強めており、下落ではあったが後場の高値圏で取引を終えた。TOPIXは終盤にかけてプラス圏に浮上。新興グロース株が強く、グロース250指数は一度もマイナス圏に沈むことなく堅調に推移した。

 日経平均は反落。後場には下げ幅を縮めたが、強弱感が交錯する中、大きく下がらないならいったん買い戻しておこうといった程度の動きに見える。プライムの売買代金は3日連続で4兆円を割り込んでおり、市場エネルギーが低下傾向にある。休場明けの米国株の動きを見ることで商いが厚みを増すかがあすの焦点。売買代金が増えてこないと指数は上値の重い状態が続くだろう。

 本日の米国では5月の消費者信頼感指数など経済指標の発表がいくつかあるほか、2年・5年の国債入札もあり、長期金利の振れ幅が大きくなる可能性がある。先週エヌビディアの好決算を確認しているだけに、米金利が低下すれば半導体株にフォローの流れとなる。米金利が上昇した場合、グロース株には逆風だが、金融株には買いが入りやすくなる。国内では足元でメガバンクの動きが良くなっている。グロースでもバリューでも、主役級の銘柄が大きく動いてくれば物色意欲が刺激され、売買も活況となりやすい。半導体株と銀行株、両雄は並び立たないだろうが、どちらかに全体をけん引するような強い動きが見られるかに注目したい。
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