株式明日の戦略-グロース株が買われて大幅高、休場前の米国株に要注目

 3日の日経平均は大幅に4日続伸。終値は506円高の40580円。米国株高を受けて寄り付きから3桁の上昇となり、場中も上値を切り上げていった。米長期金利が低下したことで前日までとは物色が様変わりし、ハイテクグロース株に買いが入った一方、金融株は売りに押された。TOPIXは序盤ではマイナス圏に沈む場面もあった。

 前場では上げ幅を300円超に広げても、40500円を前にしては足踏みした。しかし、後場に入って40500円を上回ると買いに勢いがつき、高いところでは上げ幅を600円超に広げた。40700円手前では買いが一巡したものの、終値で40500円を上回った。前場では前日終値近辺で一進一退が続いたTOPIXも、後場は動きが良くなり高値圏で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆3400億円。業種別では機械、海運、その他金融などが上昇した一方、石油・石炭、ゴム製品、鉱業などが下落した。証券会社が投資判断を引き上げた日本冶金工業<5480.T>が急騰。半面、一部メディアで海外支部がランサムウェア攻撃の標的になったと報じられたNTTデータグループ<9613.T>が大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり980/値下がり616。証券会社が目標株価を引き上げた太陽誘電、TDK、村田製作所が急伸。証券会社が目標株価を引き下げたロームも3%超上昇するなど、電子部品関連に強い買いが入った。SCREEN、ディスコ、東京エレクトロンなど半導体株が大幅上昇。三菱重工、川崎重工、IHIの重工大手3社が買いを集め、三菱重工は全市場の売買代金ランキングでトップとなった。月次が好感されたファーストリテイリングが強い上昇。3Q好決算を受けて霞ヶ関キャピタルがストップ高となった。

 一方、米金利低下を嫌気して、三菱UFJ、みずほFG、東京海上など金融株が下落。じもとHDや九州FGなど地銀株に大きく下げる銘柄が多かった。足元で強い動きが続いていた日立が利益確定売りに押された。証券会社が目標株価を引き下げたパナソニックが軟調。新紙幣発行で目先の材料出尽くし感が強まった日本金銭機械が大幅安となった。

 日経平均は大幅高。前日に40000円を上回り、もたつくことなく40500円台に乗せてきた。きのう2日はバリュー株が奮起して443円高、きょうはグロース株が奮起して506円高と、好循環が発生している。グロース株に関しては、半導体株の多くに強い動きが戻ってきたが、電子部品株もここにきて騰勢を強めている。グロース株の裾野が広がり、バリュー株では金融株が核となり、それらとは別に、三菱重工やIHIなど重工系も強い。指数が上を試しに行くのも当然と言えるくらい、「オールジャパン」で買いが入っている。

 米国は木曜4日が休場で、休場明けの5日に6月雇用統計を消化する。本日3日も経済指標の発表が多い。きょうの米国株が落ち着いた動きとなるならば、雇用統計がそれほど警戒されていないことを意味することから、日本株はもう一段上を試しに行ける。米国株が下げても、暴落でなければリスクオフにはならないだろう。日本株にここまでの上昇がみられた以上は、今週から来週のうちに日経平均とTOPIXが史上最高値を更新してほしいところだ。それを達成できずに失速してしまうと、しばらく上値が重くなる展開も想定される。売買代金上位の銘柄に力強い動きが見られるかが注目される。
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