週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、CPIや雇用データを見定め
◆米インフレ鈍化の影響受けて神経質な展開続く
◆ポンド、インフレ懸念の声もあるなかCPIや雇用データを見定め
◆加ドル、6月のインフレ動向を見極め
予想レンジ
ポンド円 203.00-208.00円
加ドル円 114.00-118.00円
7月15日週の展望
為替全般に米インフレが想定より鈍化した影響が残り、ポンドも神経質な展開となりそうだ。今週も対円では2008年以来の高値を更新し続けたが、市場予想を下回る6月米消費者物価指数(CPI)の発表後、ドル円の急落と供に大きく売りに押された。本邦通貨当局がドル下落のタイミングに合わせて円買い介入を実施したとの観測も一部あり、その辺りの動きにも注意を払いたい。
17日には6月消費者物価指数(CPI)が発表予定。その結果が出るまでは、英中銀チーフエコノミストでもあるピル金融政策委員会(MPC)委員の見解を意識した値動きとなりそうだ。
ピル委員は先日、利下げについて言及するも実施時期については「明確ではない」と発言。また、「根強いインフレに対する懸念が残っている」と指摘し、「サービス価格の上昇が依然として高い」との警戒感も示した。これは6月会合で、サービスインフレを重要視しない一部MPC委員が「金利据え置きは微妙なバランス」とした立場とは異なる。金融政策の方向性がMPC内でまとまるのはまだ先ということが窺え、次回会合における利下げ織り込み度は後退している。
6月CPIは、前回5月分が約3年ぶりに英中銀目標の2%を達成したところから、どの程度まで上振れるかがポイントとなりそうだ。また、中銀が中期的なインフレ指標として注目する「サービス価格のインフレ率」の強弱にも相場は敏感に反応するだろう。同指数は前回5.7%と4月分から減速していたものの、一部の市場予想は上回った。
18日発表の英雇用データでは、3-5月失業率(ILO方式)に目を向けておきたい。前回2-4月分は4.4%と予想より悪化し、2021年7-9月以来の高い水準を記録。週平均賃金も伸び悩みつつあるなか労働市場の冷え込みが顕著となるようだと、スターマー首相率いる新たな労働党政権から英中銀に対して利下げ圧力が高まるかもしれない。
加ドルも米金利の動向次第では不安定な動きとなるりそうだ。カナダ発の注目材料は16日発表の6月CPI。前回は前年比2.9%と、4月からの鈍化予想から一転して加速に転じた。これを受けて、24日のカナダ中銀会合で追加利下げを予測する向きが減少。今のところ、アナリスト予想では政策金利据え置きが優勢となっている。ただ、カナダと経済的な結びつきが非常に強い米国で、インフレが想定以上に減速していたことは無視できない。カナダCPIも米国に追随するようであれば、一気に追加利下げへの機運が高まることになりそうだ。
7月8日週の回顧
ポンドや加ドルは対円で買い先行。円安基調が強まるなか、ポンド円は約16年ぶりの208円台乗せに成功し、加ドル円も118円後半まで上げ幅を拡大した。ただ、その後は弱い米CPIを受けて急落したドル円につれて、それぞれ204円割れと115円後半まで失速する場面があった。一方、米金利低下を背景にポンドドルは1.29ドル半ばまで上昇した。加ドルも対ドルで、一時1.35加ドル後半まで加ドル高に振れた。
◆ポンド、インフレ懸念の声もあるなかCPIや雇用データを見定め
◆加ドル、6月のインフレ動向を見極め
予想レンジ
ポンド円 203.00-208.00円
加ドル円 114.00-118.00円
7月15日週の展望
為替全般に米インフレが想定より鈍化した影響が残り、ポンドも神経質な展開となりそうだ。今週も対円では2008年以来の高値を更新し続けたが、市場予想を下回る6月米消費者物価指数(CPI)の発表後、ドル円の急落と供に大きく売りに押された。本邦通貨当局がドル下落のタイミングに合わせて円買い介入を実施したとの観測も一部あり、その辺りの動きにも注意を払いたい。
17日には6月消費者物価指数(CPI)が発表予定。その結果が出るまでは、英中銀チーフエコノミストでもあるピル金融政策委員会(MPC)委員の見解を意識した値動きとなりそうだ。
ピル委員は先日、利下げについて言及するも実施時期については「明確ではない」と発言。また、「根強いインフレに対する懸念が残っている」と指摘し、「サービス価格の上昇が依然として高い」との警戒感も示した。これは6月会合で、サービスインフレを重要視しない一部MPC委員が「金利据え置きは微妙なバランス」とした立場とは異なる。金融政策の方向性がMPC内でまとまるのはまだ先ということが窺え、次回会合における利下げ織り込み度は後退している。
6月CPIは、前回5月分が約3年ぶりに英中銀目標の2%を達成したところから、どの程度まで上振れるかがポイントとなりそうだ。また、中銀が中期的なインフレ指標として注目する「サービス価格のインフレ率」の強弱にも相場は敏感に反応するだろう。同指数は前回5.7%と4月分から減速していたものの、一部の市場予想は上回った。
18日発表の英雇用データでは、3-5月失業率(ILO方式)に目を向けておきたい。前回2-4月分は4.4%と予想より悪化し、2021年7-9月以来の高い水準を記録。週平均賃金も伸び悩みつつあるなか労働市場の冷え込みが顕著となるようだと、スターマー首相率いる新たな労働党政権から英中銀に対して利下げ圧力が高まるかもしれない。
加ドルも米金利の動向次第では不安定な動きとなるりそうだ。カナダ発の注目材料は16日発表の6月CPI。前回は前年比2.9%と、4月からの鈍化予想から一転して加速に転じた。これを受けて、24日のカナダ中銀会合で追加利下げを予測する向きが減少。今のところ、アナリスト予想では政策金利据え置きが優勢となっている。ただ、カナダと経済的な結びつきが非常に強い米国で、インフレが想定以上に減速していたことは無視できない。カナダCPIも米国に追随するようであれば、一気に追加利下げへの機運が高まることになりそうだ。
7月8日週の回顧
ポンドや加ドルは対円で買い先行。円安基調が強まるなか、ポンド円は約16年ぶりの208円台乗せに成功し、加ドル円も118円後半まで上げ幅を拡大した。ただ、その後は弱い米CPIを受けて急落したドル円につれて、それぞれ204円割れと115円後半まで失速する場面があった。一方、米金利低下を背景にポンドドルは1.29ドル半ばまで上昇した。加ドルも対ドルで、一時1.35加ドル後半まで加ドル高に振れた。