週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、追加利下げめぐりCPIに注目
◆英中銀、7対2で政策金利の据え置きを決定
◆ポンド、利下げ開始時期見極める展開続く
◆加ドル、追加利下げをめぐり5月CPIに注目
予想レンジ
ポンド円 198.00-203.00円
加ドル円 114.00-117.50円
6月24日週の展望
ポンドは今後も利下げ時期を見極めるために経済データを確認する動きが続く。今週のイングランド銀行(英中銀、BOE)の金融政策会合では7対2で政策金利を5.25%に据え置くことが決定された。前回同様にラムズデン副総裁とディングラ委員が利下げを支持し、ガイダンスも変更はなかった。ただ、今回据え置きを支持した一部メンバーの利下げ見送りは「ぎりぎりの決定」だったことが判明しており、8月会合で利下げ支持が増える可能性が示唆された。ベイリーBOE総裁は、「利下げは時期尚早」とし「インフレ率を持続的に目標の2%に戻すため、金融政策は十分な期間にわたり景気抑制的であり続ける必要がある」との見解を示したが、市場では11月利下げを完全に織り込んでいる。8月・9月会合での利下げを巡っては、今後の経済指標に一喜一憂の展開となりそうだ。
なお、会合前の19日に発表された5月消費者物価指数(CPI)は前年比2.0%と市場予想と一致し前月から伸びが鈍化した。約3年ぶりにBOEが目標とする2%に戻したが、基調的な物価圧力は依然として根強いことが示された。BOEが注視するサービス部門のインフレ率は5.7%と4月の5.9%からやや低下したが市場予想を上回る高水準を維持した。また、4月に実施された家庭用エネルギー料金の引き下げ効果が薄れ、年末に向けてインフレ率は再び上昇することが警戒されている。来週の経済指標は、1-3月期GDP改定値程度で手がかりになる材料に乏しく、利下げをめぐる要人発言や7月4日の英総選挙が近づくなかで関連のヘッドラインに注目したい。
加ドルは、5月CPIに注目。市場予想は前月比0.3%、前年比2.6%といずれも前月から伸びがやや低下すると見込まれている。カナダ中銀(BOC)は6月会合で0.25%の利下げに踏み切り、主要7カ国(G7)の先陣を切って金融緩和に着手した。また、インフレ率が2%の目標に向かっているとの確信を深め、さらなる進展が得られれば「追加利下げを想定するのは理にかなう」としており、次回7月会合での追加利下げを見極める上でも5月CPIの結果が注目されている。
また、来週は4月GDPの発表も予定されており、BOCの経済のソフトランディング予想に沿った内容になるかにも注目。CPIやGDPが大きな手がかりとならなければ、加ドルは対ドルで1.37加ドルを挟んでの方向感に欠ける動きが継続する一方で、対円では引き続きドル円の底堅い動きが下支えとなりそうだ。BOCの追加利下げ観測が加ドルの重しとなっているものの、ドル高も一服しており、6月のドル/加ドルの値幅は一段と縮まっている。
6月17日週の回顧
ポンドドルは、5月CPIの結果にはポンド買い、英中銀金融政策イベントにはポンド売りで反応するも値動き自体は限られ、1.27ドルを挟んでの小動きとなった。加ドルは原油高が下支えとなり、ドル/加ドルは1.37加ドルを挟んだ狭いレンジ内の動きにとどまった。
一方、ドル円の堅調な動きも支えに、ポンド円は201円台まで切り返し。加ドル円は116円台まで上昇した。(了)
◆ポンド、利下げ開始時期見極める展開続く
◆加ドル、追加利下げをめぐり5月CPIに注目
予想レンジ
ポンド円 198.00-203.00円
加ドル円 114.00-117.50円
6月24日週の展望
ポンドは今後も利下げ時期を見極めるために経済データを確認する動きが続く。今週のイングランド銀行(英中銀、BOE)の金融政策会合では7対2で政策金利を5.25%に据え置くことが決定された。前回同様にラムズデン副総裁とディングラ委員が利下げを支持し、ガイダンスも変更はなかった。ただ、今回据え置きを支持した一部メンバーの利下げ見送りは「ぎりぎりの決定」だったことが判明しており、8月会合で利下げ支持が増える可能性が示唆された。ベイリーBOE総裁は、「利下げは時期尚早」とし「インフレ率を持続的に目標の2%に戻すため、金融政策は十分な期間にわたり景気抑制的であり続ける必要がある」との見解を示したが、市場では11月利下げを完全に織り込んでいる。8月・9月会合での利下げを巡っては、今後の経済指標に一喜一憂の展開となりそうだ。
なお、会合前の19日に発表された5月消費者物価指数(CPI)は前年比2.0%と市場予想と一致し前月から伸びが鈍化した。約3年ぶりにBOEが目標とする2%に戻したが、基調的な物価圧力は依然として根強いことが示された。BOEが注視するサービス部門のインフレ率は5.7%と4月の5.9%からやや低下したが市場予想を上回る高水準を維持した。また、4月に実施された家庭用エネルギー料金の引き下げ効果が薄れ、年末に向けてインフレ率は再び上昇することが警戒されている。来週の経済指標は、1-3月期GDP改定値程度で手がかりになる材料に乏しく、利下げをめぐる要人発言や7月4日の英総選挙が近づくなかで関連のヘッドラインに注目したい。
加ドルは、5月CPIに注目。市場予想は前月比0.3%、前年比2.6%といずれも前月から伸びがやや低下すると見込まれている。カナダ中銀(BOC)は6月会合で0.25%の利下げに踏み切り、主要7カ国(G7)の先陣を切って金融緩和に着手した。また、インフレ率が2%の目標に向かっているとの確信を深め、さらなる進展が得られれば「追加利下げを想定するのは理にかなう」としており、次回7月会合での追加利下げを見極める上でも5月CPIの結果が注目されている。
また、来週は4月GDPの発表も予定されており、BOCの経済のソフトランディング予想に沿った内容になるかにも注目。CPIやGDPが大きな手がかりとならなければ、加ドルは対ドルで1.37加ドルを挟んでの方向感に欠ける動きが継続する一方で、対円では引き続きドル円の底堅い動きが下支えとなりそうだ。BOCの追加利下げ観測が加ドルの重しとなっているものの、ドル高も一服しており、6月のドル/加ドルの値幅は一段と縮まっている。
6月17日週の回顧
ポンドドルは、5月CPIの結果にはポンド買い、英中銀金融政策イベントにはポンド売りで反応するも値動き自体は限られ、1.27ドルを挟んでの小動きとなった。加ドルは原油高が下支えとなり、ドル/加ドルは1.37加ドルを挟んだ狭いレンジ内の動きにとどまった。
一方、ドル円の堅調な動きも支えに、ポンド円は201円台まで切り返し。加ドル円は116円台まで上昇した。(了)