週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、追加利下げの可能性高まる
◆円相場、リスクセンチメントの強弱に振らされる展開
◆ポンド、英金利の面からも不安定な動きに
◆加ドル、6月CPI鈍化で追加利下げの可能性高まる
予想レンジ
ポンド円 202.00-207.00円
加ドル円 112.50-116.50円
7月22日週の展望
ポンド、加ドルとも対円では相場全般のリスクセンチメントの強弱に振らされる展開となりそうだ。今週半ばにリスク回避の円高が進行した要因の1つは、「対中半導体規制で更なる厳しいルールを検討、米国が同盟国に警告」との報道。本邦企業も規制の対象とされた。また11月の米大統領選で優勢とされる共和党トランプ前大統領が、「台湾の半導体の台頭で米国は不利益を被った」と発言したことも市場に嫌気された。トランプ氏は為替についても、「対ドルでの円安や人民元安がはなはだしい」とドル高をけん制。くわえて日本では河野太郎デジタル相が、「円安是正のため日銀に政策金利引き上げを要求」と報じられた。来週も同類の報道が繰り返し取上げられる可能性があり、特に再び目立ってきたトランプ前大統領のコメントには注意しておきたい。
英金利の側面からもポンドは不安定な動きとなりそうだ。17日に発表された6月英消費者物価指数(CPI)は前年比2.0%と伸び率は前回から横ばいだった。市場は小幅な鈍化を予想していたが、前年比5.7%と高止まりしたサービス業CPIが影響したもよう。サービス価格上昇への英金融当局者の懸念が裏付けられ、総合CPIの英中銀インフレ目標達成は一時的とする見方が広がっている。結果を受けて市場では、早期利下げ観測が一旦後退した。
ただ、翌18日発表の英雇用統計が、8月1日公表の英政策金利に対する予測を迷わせている。3-5月英失業率(ILO方式)は4.4%と予想通りだったものの、2021年後半から最も高い水準を維持。一方で、平均賃金(賞与除く)上昇率は前年比5.7%と前回から低下基調を強めた。労働市場の冷え込みが示されつつあるなかで、英MPCの判断も難しくなりそうだ。
加ドルは24日のカナダ中銀(BOC)金融政策決定会合の結果に注目。16日発表の6月CPIは前年比2.7%上昇と前回から0.2%低下。予想の2.8%を下回った。また前月比でも0.1%下落と弱い結果となった。BOCが重視するCPI中央値やトリム値も前年比で若干ながら伸びが鈍化した。これらを受けて、5月CPIの上振れを受けて急速に後退していた追加利下げ観測が再浮上。短期金融市場では24日に0.25%の金利引き下げ決定との見方が優勢となっている。声明で注視するポイントは、BOCがインフレ減速をどの程度まで見込んでいるか。年末にかけての3会合で金融緩和スピードを速める可能性があるのかどうかを探ることになりそうだ。
7月15日週の回顧
ポンド円は前週の大幅安からの反動で週前半は下げ渋るも205円後半で伸び悩み。リスク回避の動きが強まった週半ば以降に一時202円前半まで売り込まれた。加ドル円は弱い加インフレが重しとなり116円付近で頭を抑えられ、週後半にかけては103円半ばまで下落する場面があった。
また、ポンドドルはCPIの発表後に約1年ぶりの1.30ドル台乗せとなったものの、雇用統計後には大台を割り込み上値を切り下げた。加ドルは弱いCPIを受けて対ドルでは売りが強まった。1.37加ドル台まで加ドル安に振れている。
◆ポンド、英金利の面からも不安定な動きに
◆加ドル、6月CPI鈍化で追加利下げの可能性高まる
予想レンジ
ポンド円 202.00-207.00円
加ドル円 112.50-116.50円
7月22日週の展望
ポンド、加ドルとも対円では相場全般のリスクセンチメントの強弱に振らされる展開となりそうだ。今週半ばにリスク回避の円高が進行した要因の1つは、「対中半導体規制で更なる厳しいルールを検討、米国が同盟国に警告」との報道。本邦企業も規制の対象とされた。また11月の米大統領選で優勢とされる共和党トランプ前大統領が、「台湾の半導体の台頭で米国は不利益を被った」と発言したことも市場に嫌気された。トランプ氏は為替についても、「対ドルでの円安や人民元安がはなはだしい」とドル高をけん制。くわえて日本では河野太郎デジタル相が、「円安是正のため日銀に政策金利引き上げを要求」と報じられた。来週も同類の報道が繰り返し取上げられる可能性があり、特に再び目立ってきたトランプ前大統領のコメントには注意しておきたい。
英金利の側面からもポンドは不安定な動きとなりそうだ。17日に発表された6月英消費者物価指数(CPI)は前年比2.0%と伸び率は前回から横ばいだった。市場は小幅な鈍化を予想していたが、前年比5.7%と高止まりしたサービス業CPIが影響したもよう。サービス価格上昇への英金融当局者の懸念が裏付けられ、総合CPIの英中銀インフレ目標達成は一時的とする見方が広がっている。結果を受けて市場では、早期利下げ観測が一旦後退した。
ただ、翌18日発表の英雇用統計が、8月1日公表の英政策金利に対する予測を迷わせている。3-5月英失業率(ILO方式)は4.4%と予想通りだったものの、2021年後半から最も高い水準を維持。一方で、平均賃金(賞与除く)上昇率は前年比5.7%と前回から低下基調を強めた。労働市場の冷え込みが示されつつあるなかで、英MPCの判断も難しくなりそうだ。
加ドルは24日のカナダ中銀(BOC)金融政策決定会合の結果に注目。16日発表の6月CPIは前年比2.7%上昇と前回から0.2%低下。予想の2.8%を下回った。また前月比でも0.1%下落と弱い結果となった。BOCが重視するCPI中央値やトリム値も前年比で若干ながら伸びが鈍化した。これらを受けて、5月CPIの上振れを受けて急速に後退していた追加利下げ観測が再浮上。短期金融市場では24日に0.25%の金利引き下げ決定との見方が優勢となっている。声明で注視するポイントは、BOCがインフレ減速をどの程度まで見込んでいるか。年末にかけての3会合で金融緩和スピードを速める可能性があるのかどうかを探ることになりそうだ。
7月15日週の回顧
ポンド円は前週の大幅安からの反動で週前半は下げ渋るも205円後半で伸び悩み。リスク回避の動きが強まった週半ば以降に一時202円前半まで売り込まれた。加ドル円は弱い加インフレが重しとなり116円付近で頭を抑えられ、週後半にかけては103円半ばまで下落する場面があった。
また、ポンドドルはCPIの発表後に約1年ぶりの1.30ドル台乗せとなったものの、雇用統計後には大台を割り込み上値を切り下げた。加ドルは弱いCPIを受けて対ドルでは売りが強まった。1.37加ドル台まで加ドル安に振れている。