ロンドン為替見通し=7月PMI速報値を確認後、チーフ・エコノミストの見解を見定め

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、前半は欧州の7月購買担当者景気指数(PMI)速報値を確かめながらの取引。ロンドン昼過ぎ(ニューヨーク勢の入り際)には、欧州中央銀行(ECB)のチーフ・エコノミストでもあるレーン専務理事の講演内容を見定めることになる。ユーロの地合いが弱い分だけ、指標の下振れやハト派な発言には注意したい。

 仏・独・ユーロ圏の7月製造業PMI速報値は景況判断の境目50を下回った水準ながら、前回より改善が見込まれている。ただし、6月分は予想を下回ったことがユーロ売りに繋がっており、そうそう楽観視はできないか。サービス部門については、予想では僅かに50に届かない仏の結果がポイントの1つとなる。

 PMIの発表前にデギンドスECB副総裁がパネルディスカッションに参加する。同副総裁は昨日、「現在の不確実性レベルは非常に高く、決定には慎重さが必要」と述べながらも、「9月は意思決定するには適した月」と追加利下げを匂わせた。今後について本日も訊かれた場合は、同じような発言となるだろう。

 注目はレーンECB専務理事がその後の講演で、インフレ警戒感を緩めるような見解を示すかどうか。レーン氏はこれまで、来年のインフレ低下については言及しているものの、今年に対しては慎重な姿勢を示している。なお、9月の定例理事会に対する利下げ観測は高まりつつあるものの、短期金融市場の織り込み度は7割には達していない。

 他、来週の日銀会合に向けた思惑もユーロ円の動向に影響を与えるだろう。ここにきて政府・与党関係者から金融正常化の必要性を訴える発言が出てきた。日銀が政治圧力に従うかは疑問だが、会合結果の公表まで1週間あることから、思惑主導で円相場が上下する展開が続きそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドル、22日高値1.0903ドル
・ユーロ円、22日安値170.06円

想定レンジ下限
・ユーロドル、90日移動平均線1.0787ドル
・ユーロ円、6月14日安値167.53円を割れると日足一目均衡表・雲の下限166.92円



(小針)
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