東京為替見通し=ドル円、東京休場で閑散取引の中、中東情勢などには要警戒か

 9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが3.91%台まで低下したことで146.27円まで下落したものの、米国株相場が持ち直したことから146.76円付近まで下げ渋った。ユーロドルは1.0909ドルから1.0931ドルまでの狭いレンジで推移した。ユーロ円は159.81円まで下落後、160円台前半まで切り返した。

 本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場が山の日の振替休日で休場のため動きづらい展開が予想されるものの、引き続き中東の地政学リスクには警戒しておきたい。

 今週は、14日に米7月消費者物価指数(CPI)が発表され、来週21日には、米労働省が雇用者数の年次改定を発表し、22-24日にはジャクソンホール会合が開催される。

 先週の世界同時株安を受けて、フェデラルファンド(FF)金利先物8月限が一時、月内の緊急利下げを織り込む局面があった。
 米連邦準備理事会(FRB)は、過去30年間に8回の緊急会合を開催して利下げに踏み切ったが、ロシア金融危機、ITバブル崩壊、住宅バブル崩壊、コロナパンデミックなどの金融危機への対応策だった。
 今回の株安は、過去の危機ほどの衝撃はないと思われることで、杞憂に過ぎなかったのかもしれない。しかし、イランがイスラエルに報復攻撃を行い、中東の紛争が拡大した場合は、第5次中東戦争の可能性が高まることで、警戒しておきたい、

 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ開始確率が51.5%程度、0.50%の利下げは48.5%程度となっている。そして、11月FOMCでは0.50%の追加利下げ、12月FOMCでも0.25%の追加利下げが見込まれており、年末のFF金利誘導目標は現状よりも1.0%低い4.25-50%と想定されている。

 ドル円のテクニカル分析では、161.95円から141.70円まで20.25円下落した後の戻しは147.90円までで、日足一目均衡表・転換線やフィボナッチ・リトレースメント38.2%戻しの149.44円に届かなかった。
 シカゴIMM通貨先物市場の6日時点の投機筋の円売り持ちポジションは11354枚で、5日の円の急騰を受けて前週から62106枚減少していた。

 本日の一目・転換線は147.79円に下りてきており、上値抵抗線として意識されており、下値は週足一目均衡表・雲の上限が位置する145.83円が意識されている。


(山下)
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