NY株見通し-今週は7月小売売上高や7月CPIなどの経済指標に注目

 今週のNY市場は消費と物価動向に注目。

 先週は前週末の米7月雇用統計の悪化を受けて景気後退(リセッション)懸念が強まったことや、日銀の利上げを受けた「円キャリートレード」の巻き戻しへの警戒感が強まり月曜日に急落してスタートした。ダウ平均が1033.99ドル安(-2.60%)、S&P500も3.00%安とともに2022年9月以来の下落率を記録し、ハイテク株主体のナスダック総合も3.43%安となった。しかし、木曜日に発表された新規失業保険申請件数が予想を下回る強い結果となり景気後退(リセッション)懸念が和らいだことや、「円キャリートレード」の巻き戻しへの警戒感が和らいだことで大きく反発し、週末金曜日も反発の動きが続いた。

 週間ではダウ平均が239.72安(-0.60%)、ナスダック総合が0.18%安とマイナス圏で終了した一方、S&P500は0.04%安とほぼフラットで終了した。投資家の不安心理を示すVIX指数は月曜日に一時65.73ポイントと、2020年3月のコロナパンデミック時以来の水準まで上昇したが、20.37ポイントで終了し、週間では3.02ポイント低下した。

 今週は景気動向や利下げ見通しを巡り、7月小売売上高や7月月消費者物価指数(CPI)などの経済指標に注目が集まる。7月雇用統計の悪化を受けて景気後退(リセッション)懸念がくすぶっており、木曜日に発表される7月小売売上高が弱い結果となれば、再びリセッション懸念が強まりそうだ。

 利下げを巡っては9月米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げ見通しが強まっており、火曜日発表の7月生産者物価指数(PPI)や水曜日発表の7月消費者物価指数(CPI)に要注目となる。終盤戦となった第2四半期決算発表はS&P500採用の11銘柄が発表予定で、火曜日にホーム・デポ、水曜日にシスコ・システムズ、木曜日にディア、ロス・ストアーズ、ウォルマート、アプライド・マテリアルズなどの決算やガイダンスが注目される。

 今晩の米経済指標・イベントは7月財政収支など。主要な企業の決算発表はなし。
(執筆:8月12日、14:00)
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