NYマーケットダイジェスト・12日 ダウ失速・金利低下・円下げ渋り

(12日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.21円(前営業日比△0.60円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.91円(△0.91円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0931ドル(△0.0014ドル)
ダウ工業株30種平均:39357.01ドル(▲140.53ドル)
ナスダック総合株価指数:16780.61(△35.31)
10年物米国債利回り:3.90%(▲0.04%)
WTI原油先物9月限:1バレル=80.06ドル(△3.22ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2504.0ドル(△30.6ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
7月米財政収支
      2437億ドルの赤字 660億ドルの赤字

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反発。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.96%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。前週末の高値147.82円を上抜けて一時148.22円と2日以来の高値を付けた。市場では「円キャリー取引の急激な巻き戻しが一服した状態が続いている」との声が聞かれた。
 ただ、米10年債利回りが低下に転じるとドル円にも売りが出たため伸び悩んだ。「イランは24時間以内にイスラエルを攻撃する可能性がある」の一部報道が伝わると、中東情勢を巡る懸念から米10年債利回りが3.89%台まで低下。ドル円は一時147.05円付近まで下押しした。高く始まったダウ平均が下げに転じたことも相場の重し。

・ユーロドルは小幅上昇。米長期金利が低下に転じたことでユーロ買い・ドル売りがじわりと強まると、0時過ぎに一時1.0939ドルと日通し高値を付けた。ただ、本日は主要な米経済指標の発表などもなく手掛かり材料に欠けたことから、相場は大きな方向感が出なかった。今日の安値はアジア時間に付けた1.0910ドルで値幅は0.0029ドル程度だった。
 今週は7月の米消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)、小売売上高などインフレや個人消費の動向を示す米重要指標の発表が予定されており、様子見ムードが広がった。市場では「世界の中央銀行総裁らが集うジャクソンホール会議を来週22-24日に控えて投資家の様子見姿勢が強い」との指摘もあった。

・ユーロ円は反発。22時30分過ぎに一時161.95円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は次第に上値が重くなり4時30分過ぎに160.74円付近まで下押しした。ドル円につれた動きとなった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。今週予定されている7月の米CPIやPPIなど、米重要指標の発表を控えて積極的な買いは手控えられた。中東の地政学リスクも相場の重しとなった。
 一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などが買われた。

・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。イランが近くイスラエルを攻撃するとの観測が高まる中、中東の地政学リスクが意識されて相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。

・原油先物相場は5日続伸。中東情勢が一段と緊張する中、原油の供給に影響が出るとの見方から買いが先行した。

・金先物相場は4日続伸。中心限月の清算値ベースで初めて2500ドルの節目を突破して過去最高値を付けた。米長期金利が低下して金利を生まない金の投資妙味が強まったほか、中東情勢をめぐる不安も上昇を後押しした。

(中村)
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