NYマーケットダイジェスト・8日 株反発・金利上昇・円安

(8日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.23円(前営業日比△0.55円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.77円(△0.55円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0919ドル(▲0.0003ドル)
ダウ工業株30種平均:39446.49ドル(△683.04ドル)
ナスダック総合株価指数:16660.02(△464.21)
10年物米国債利回り:3.99%(△0.05%)
WTI原油先物9月限:1バレル=76.19ドル(△0.96ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2463.3ドル(△30.9ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
前週分の米新規失業保険申請件数
       23.3万件    25.0万件・改
6月米卸売売上高
(前月比)   ▲0.6%     0.3%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日続伸。米労働省が発表した前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行。22時30分過ぎに一時147.54円と日通し高値を更新した。その後の下押しも146.94円付近にとどまった。市場では「米景気後退が差し迫っているという見方は的外れのようだ」との声が聞かれた。
 なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.02%台まで上昇した。

・ユーロドルは小幅ながら3日続落。米労働市場の底堅さを示唆する米雇用関連指標の発表を受けて米長期金利が上昇すると全般ドル買いが先行。23時前に一時1.0882ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げ、1.0919ドル付近まで下げ渋った。米国株相場の上昇を受けて投資家のリスク回避姿勢が和らいだことが相場を下支えした。

・ユーロ円は続伸。米雇用指標をきっかけに米経済減速への過度な懸念が和らぐと、ダウ平均が一時740ドル超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移。リスク・オンの円売りが優勢となり、2時30分過ぎに一時160.88円と日通し高値を付けた。
 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時187.88円、豪ドル円は97.14円、NZドル円は88.57円、カナダドル円は107.36円まで値を上げた。

・メキシコペソも堅調だった。対円で7.81円、対ドルで18.8605ペソまでペソ高が進んだ。メキシコ中銀はこの日、政策金利を現行の11.00%から10.75%へ引き下げることを決めたと発表。市場予想は据え置きと0.25%の利下げで拮抗していたが、金利発表後もペソ買いが続いた。
 なお、声明では「景気減速懸念の高まりを背景に利下げを決定」「3対2の賛成多数で利下げを決定」「インフレ率を目標の3%に持続的に収束させることに引き続き取り組む」との見解が示された。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反発。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となり、労働市場の底堅さを示すと景気懸念が和らいだ。投資家心理が改善し幅広い銘柄に買いが集まると一時740ドル超上昇した。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅反発。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、テスラなどが買われた。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となり米景気懸念が和らぐと、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。

・原油先物相場は3日続伸。米労働指標の改善を受けて米景気減速懸念が後退し、石油の需要期待が高まった。中東情勢の緊迫化も相場の支援材料となった。

・金先物相場は続伸。中東情勢の一段の緊迫化を背景に安全資産としての金需要が高まった。米利下げ観測も引き続き相場を支えた。

(中村)
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