ロンドン為替見通し=仏独欧英の8月製造業・サービス業PMI速報値に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、仏独欧の8月製造業・サービス業PMI速報値や7月18日分の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨を見極めて、9月12日のECB理事会での利下げの可能性を探ることになる。
 ポンドドルも8月英製造業・サービス業PMI速報値を見極めて、9月19日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)での利下げの可能性を探ることになるだろう。

 レーン・フィンランド中銀総裁は、先日、「ユーロ圏の成長低迷は、9月欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げ根拠を強める。インフレが鈍化傾向にある限り、利下げは妥当」と述べていた。
 8月の仏独欧の製造業・サービス業PMI速報値が低調な数字だった場合は、ECBの利下げ観測を高めることで、ユーロドルの上昇に歯止めがかかるが、ポジティブサプライズならば、9月FOMCでの利下げ開始観測が高まっていることで、さらなる上昇の可能性が高まることになる。

 8月英製造業PMI速報値の予想は52.1で7月と変わらず、8月英サービス部門PMI速報値の予想は52.8で、7月の52.5からの改善が見込まれている。予想通りの良好な数字ならば、9月の利下げ観測が後退することで、米長期金利低下によるポンド買い・ドル売りの流れが加速する可能性に警戒しておきたい。
 
 市場の見立てでは、英国の政策金利(現在5.00%)は、年末までに4.50%まで低下するとの見通しが優勢となっている。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1276ドル(2023/7/18高値)
・ユーロ円:163.15円(日足一目均衡表・基準線)
・ポンドドル:1.3211ドル(2022/3/18週高値)
・ポンド円:192.17円(日足一目均衡表・基準線)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1042ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:160.42円(8/19安値)
・ポンドドル:1.2933ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:188.95円(8/21安値)



(山下)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。