週間為替展望(ドル/ユーロ)-ドル円、重要イベント通過で底堅い
◆ドル円、FOMCはタカ派寄りの利下げだったとの指摘も
◆ドル円、スピード調整に対する反動から底堅い
◆ユーロドル、ECBの金利見通しは依然として不透明感強い
予想レンジ
ドル円 141.00-147.00円
ユーロドル 1.0950-1.1200ドル
9月23日週の展望
ドル円は、日米金融イベントを通過して、7月前半からのスピード調整に対する反動から底堅い展開が想定される。
17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.50%の利下げが行われ、残り年内2回の会合でさらに0.50%引き下げられる見通しが示されたが、0.25%利下げを見込む意見と拮抗していることも判明。今後の経済データ次第では利下げ期待が大きく変化することが窺われた。また、金利の最終到達地点(ターミナルレート)とされている中立金利が前回6月時の2.8%から2.9%に引き上げられた。わずかに0.1%の上方修正ながらも2018年以来の高水準であり、現在のFF金利誘導目標の中間値(4.875%)から中立金利に到達するために必要な利下げ幅が、理論上減ったことになる。これらを考慮すると、今回は大幅な利下げを実施したにもかかわらず、市場では「タカ派寄りの利下げだった」との指摘もあり、来週以降、ドルを積極的に売ることは難しくなりそうだ。
なお、来週は23日に9月購買担当者景気指数(PMI)速報値、24日に9月消費者信頼感指数、25日に8月新築住宅販売件数、26日に4-6月期四半期実質国内総生産(GDP)確定値や8月耐久財受注、27日に8月個人消費支出(PCE)の発表が予定されている。
ドル円は7月前半の161円台後半から9月半ばの139円台半ばまで、わずか2カ月余りで22円以上の調整を行ったが、その背景となったのは米大幅利下げと日銀の追加利上げ期待だった。日米金融イベントを通過した来週は、過度に進んだ調整に対する反動からドル円には買い戻しの余地がありそうだ。
ユーロドルは、過度の米利下げ期待の後退から上値の重い動きとなりそうだ。今週は欧州中央銀行(ECB)高官からの発言として、ビルロワドガロー仏中銀総裁やカザークス・ラトビア中銀総裁から「引き続き利下げすべき」とのハト派的な見解が示された一方で、シムカス・リトアニア中銀総裁からは「10月に利下げする可能性は非常に小さい」との発言があったが、依然として金利見通しについては不透明感が強い。
9月16日週の回顧
ドル円は、週明けの欧州序盤に一時139.58円と昨年7月28日以来の安値を付けたが、その後は徐々に下値を切り上げる展開に。8月米小売売上高などが予想を上回ったことを支えに142円台半ばまで切り返した。FOMC後に0.50%の利下げが決定すると140.45円まで下げたが、FRB議長が利下げに慎重な発言をすると反発。翌19日には一時143.95円まで買い上げられた。
ユーロドルは週明けから1.10ドル台後半から1.11ドル台半ばまで水準を切り上げた。FOMC直後に1.1189ドルまで上昇後1.1069ドルまで失速も、再び1.11ドル台後半まで持ち直した。(了)
◆ドル円、スピード調整に対する反動から底堅い
◆ユーロドル、ECBの金利見通しは依然として不透明感強い
予想レンジ
ドル円 141.00-147.00円
ユーロドル 1.0950-1.1200ドル
9月23日週の展望
ドル円は、日米金融イベントを通過して、7月前半からのスピード調整に対する反動から底堅い展開が想定される。
17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.50%の利下げが行われ、残り年内2回の会合でさらに0.50%引き下げられる見通しが示されたが、0.25%利下げを見込む意見と拮抗していることも判明。今後の経済データ次第では利下げ期待が大きく変化することが窺われた。また、金利の最終到達地点(ターミナルレート)とされている中立金利が前回6月時の2.8%から2.9%に引き上げられた。わずかに0.1%の上方修正ながらも2018年以来の高水準であり、現在のFF金利誘導目標の中間値(4.875%)から中立金利に到達するために必要な利下げ幅が、理論上減ったことになる。これらを考慮すると、今回は大幅な利下げを実施したにもかかわらず、市場では「タカ派寄りの利下げだった」との指摘もあり、来週以降、ドルを積極的に売ることは難しくなりそうだ。
なお、来週は23日に9月購買担当者景気指数(PMI)速報値、24日に9月消費者信頼感指数、25日に8月新築住宅販売件数、26日に4-6月期四半期実質国内総生産(GDP)確定値や8月耐久財受注、27日に8月個人消費支出(PCE)の発表が予定されている。
ドル円は7月前半の161円台後半から9月半ばの139円台半ばまで、わずか2カ月余りで22円以上の調整を行ったが、その背景となったのは米大幅利下げと日銀の追加利上げ期待だった。日米金融イベントを通過した来週は、過度に進んだ調整に対する反動からドル円には買い戻しの余地がありそうだ。
ユーロドルは、過度の米利下げ期待の後退から上値の重い動きとなりそうだ。今週は欧州中央銀行(ECB)高官からの発言として、ビルロワドガロー仏中銀総裁やカザークス・ラトビア中銀総裁から「引き続き利下げすべき」とのハト派的な見解が示された一方で、シムカス・リトアニア中銀総裁からは「10月に利下げする可能性は非常に小さい」との発言があったが、依然として金利見通しについては不透明感が強い。
9月16日週の回顧
ドル円は、週明けの欧州序盤に一時139.58円と昨年7月28日以来の安値を付けたが、その後は徐々に下値を切り上げる展開に。8月米小売売上高などが予想を上回ったことを支えに142円台半ばまで切り返した。FOMC後に0.50%の利下げが決定すると140.45円まで下げたが、FRB議長が利下げに慎重な発言をすると反発。翌19日には一時143.95円まで買い上げられた。
ユーロドルは週明けから1.10ドル台後半から1.11ドル台半ばまで水準を切り上げた。FOMC直後に1.1189ドルまで上昇後1.1069ドルまで失速も、再び1.11ドル台後半まで持ち直した。(了)