NY為替見通し=米新規失業保険申請件数と複数のFRB高官の発言に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、前週分の米新規失業保険申請件数や失業保険継続受給者数を見極めた後は、複数の米連邦準備理事会(FRB)高官の発言に注目する展開が予想される。

 パウエルFRB議長は、労働市場の悪化懸念から0.50%の大幅利下げが決定されたFOMC後の記者会見で「雇用の増加は過去数カ月で明らかに減速しており、これは注目に値する」と述べており、今後はインフレ指標ではなく、雇用関連指標を注目していくことになる。

 先日発表された9月の米消費者信頼感指数では、職が「十分」と「就職困難」の回答から算出する労働市場格差に関する指数は12.6となっており、8月の15.9から悪化していた。
 本日発表される前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.5万件/183.8万人)では、それぞれ前回からの雇用情勢の悪化が見込まれているが、ネガティブサプライズに警戒しておきたい。

 4-6月期米国内総生産(GDP)確定値では、一部市場筋が大幅な下方修正の可能性に言及していることで警戒しておきたい。

 また本日は、コリンズ米ボストン連銀総裁、クーグラーFRB理事、ボウマンFRB理事、パウエルFRB議長、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、バーFRB副議長、クックFRB理事、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁らの発言機会が設けられていることで、年内の利下げ幅などへの言及には注目しておきたい。

 明日発表されるFRBがインフレ指標として注視している8月分のPCEデフレーターは、前月比+0.1%、前年同月比は+2.3%と予想されており、FRBのインフレ目標2.0%に迫り、2021年序盤以来の低い伸び率が見込まれている。
 クーグラーFRB理事は、「8月のPCEデフレータは約2.2%、コアは2.7%を予想している」と述べている。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、146.25円(8/30高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、143.40円(日足一目均衡表・基準線)


(山下)
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