ロンドン為替見通し=円相場主導が暫く継続か、自民党総裁選の影響を受けて

 本日のロンドン為替市場では複数の経済指標が発表されるものの、暫くは自民党総裁選の結果を受けた円相場が中心となり、欧州通貨は対ドルで方向感が出づらいか。

 事実上、日本の新たな指導者を決める選挙では、高市経済安全保障担当相、小泉進次郎氏、石破元幹事長の3人が有力候補とされている。

 市場の注目は総裁選の終盤になり急速に追い上げてきた高市氏が選ばれるかどうか。と言うのも同氏は、円安のメリットを強調し、日銀の利上げに対して不信感を示すなど、金融市場に強いメッセージを発信しているからだ。初の女性総裁(つまり初の女性首相)誕生への期待が高まるなか、高市氏の当選で円安が加速するとの見方が多い。

 その他候補が自民党総裁選に選ばれた場合、足もとでリスクオンの円売りが進んだ反動から、円買い戻しに振れるかもしれない。特に石破氏は金融正常化を容認し、またドル円の適正な水準についても、現状より円高方向に言及している。同氏当選の場合は荒い相場になるかもしれない。

 本日の欧州経済指標で主なものは、9月の仏CPI速報値や独雇用統計、ユーロ圏経済信頼感指数など。低下予想の仏CPI前月比のマイナス幅はやや気になるところか。ただし欧州午後には本日のメインイベント、米連邦準備理事会(FRB)が重要視するPCEデフレーター(総合・コア)の8月分が発表される。結局は米インフレ指標次第でドル相場の方向性が決まりそうだ。

 なお、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーの講演は、レーン・フィンランド中銀総裁、レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、チポローネECB専務理事、ナーゲル独連銀総裁が予定されている。

想定レンジ上限
・ユーロドル、1.1276ドル(2023/7/18高値=2023年高値)
・ユーロ円、8月19日高値163.45円

想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.1108ドル
・ユーロ円、ピボット・サポート1の161.10円


(小針)
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