ロンドン為替見通し=中東情勢に警戒しつつ、経済指標を見極める展開か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、中東の地政学リスクに警戒しながら、9月の仏・独・ユーロ圏のサービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値や8月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)を見極めて10月17日のECB理事会での追加利下げの可能性を探る展開となる。

 9月の仏・独・ユーロ圏の製造業PMI改定値は軒並み上方修正されていたものの、依然として景況感の分岐点である50を下回っていた。サービス部門PMIでのリスクシナリオは、下方修正された場合に警戒しておきたい。

 8月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)の予想は前月比+0.3%で、7月の同比+0.8%から伸び率鈍化、前年比-2.4%で、7月の同比-2.1%からの伸び率鈍化が見込まれている。
 9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)は前年比+1.8%まで低下していることで、ユーロ圏の物価指標の低下基調は織り込み済みであり、予想を下回る低下幅には警戒しておきたい。

 9月スイス消費者物価指数(CPI)は前月比-0.1%と予想されており、8月の同比±0.0%からの低下が見込まれている。
 シュレーゲル・スイス国立銀行総裁は、物価上昇率について、SNBが目標とする0-2%のレンジを下回るリスクの方が大きいことで、マイナス金利の復活の可能性に言及しており、要注目か。

 9月トルコCPIは前年比+48.30%と予想されており、8月の同比+51.97%からの伸び率鈍化が見込まれている。
 トルコのインフレ率は、50%に据え置かれている政策金利の影響で低下傾向にあり、トルコ中銀は、年末のインフレ率を38%に低下させることを目標としている。
 トルコのディスインフレ基調が確認された場合、トルコ中銀による利下げ観測が高まるため、トルコリラは下げ渋る展開が予想される。

想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1124ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:163.49円(9/27高値)
・スイスフラン円:173.45円(日足一目均衡表・雲の上限)
・トルコリラ円:4.33円(9/3高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0934ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:160.80円(日足一目均衡表・転換線)
・スイスフラン円:170.66円(日足一目均衡表・雲の下限)
・トルコリラ円:4.21円(日足一目均衡表・転換線)


(山下)
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