株式明日の戦略-金融株の強さが目立つ大幅高、日本株に伸びしろはあるか
7日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は697円高の39332円。4日の米国市場では強い9月雇用統計を好感してダウ平均が史上最高値を更新。長期金利が上昇し、ドル円は円安に振れた。これらの動きを受けて、寄り付きから600円を超える上昇。39200円台からスタートし、39500円台までは一気に水準を切り上げた。買い一巡後は値動きが落ち着き、39300円~39400円レベルでのもみ合いがしばらく続いた。終盤にかけては前場の高値を上回り、一時上げ幅を900円超に拡大。しかし、引け間際には失速しており、700円近い上昇ながらも大引けが後場の安値となった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4700億円。業種別では銀行、保険、証券・商品先物などが上昇した一方、パルプ・紙、空運、鉄鋼などが下落した。株高を手がかりに野村ホールディングス<8604.T>や大和証券グループ本社<8601.T>など証券株が大幅高。半面、円安進行が全体にはポジティブに作用する中、円高メリット銘柄とみられているニトリホールディングス<9843.T>は売りに押された。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1234/値下がり359。米長期金利の上昇に金融株が強く反応しており、三菱UFJ、三井住友、みずほのメガバンク3行がそろって大幅上昇。第一生命や東京海上など保険株も騰勢を強めた。ファーストリテイリングが5万円の大台に乗せて上場来高値を更新。コナミG、任天堂、バンナムHDなどゲーム株に資金が向かった。円安進行でインバウンド需要拡大期待が高まり、三越伊勢丹や高島屋など百貨店株が大幅上昇。株式分割や増配が好感されたウェザーニューズが急騰した。
一方、第2四半期の個別出荷額が失望材料となったディスコが6.3%安。弱さが目立つ中で売買代金は全市場のトップとなった。原油高に伴う燃料価格上昇が懸念され、空運大手のANAHDが逆行安。米長期金利の上昇が嫌気され、三菱地所や住友不動産など不動産株の一角が軟調となった。先週、業績関連のニュースで跳ねた霞ヶ関キャピタルは、序盤に上を試す場面もあったものの、急失速して5%近い下落となった。
週明けの日経平均は大幅高。39000円の節目を難なく上回った。ただ、物色を見るとやや先行きに対する不安も出てくる。動きが良かったのは金融株で、これは米国の長期金利が上昇しただけに妥当な動き。一方、円安の恩恵が期待された自動車株は、トヨタやホンダが2%台の上昇というのは物足りなさもあった。半導体株はアドバンテストは強かったが、レーザーテックや東京エレクトロンはディスコ急落の余波を受けて1%台の上昇。防衛関連では三菱重工がかろうじてプラスを確保した程度にとどまった。
9月の雇用統計を受けて米国の長期金利は大きく上昇したが、ここからさらに金利の上昇を呼び込むような経済指標が相次いだ場合には、利下げ不要論が台頭してくる。そもそも金利の上昇は株式市場は歓迎しない話。米国株高や円安を受けて半導体株や自動車株が大きく上昇し、金融株も米金利上昇を支えに買われることで全面高になる、こういった流れであれば理想的であったが、やや金融株の反応が強すぎる印象。米国の長期金利が低下して金融株が買いづらくなった際に、日本株はネガティブな反応が大きくなってしまう可能性がある。日本株全体として余力を残しているとも考えられるが、米金利が低下すれば円安(ドル高)にも一服感が出てきやすい。金融株以外で日本株のけん引役が出てこないと、目先は指数の値動きがかなり不安定となる展開も想定される。
(山下)
東証プライムの売買代金は概算で4兆4700億円。業種別では銀行、保険、証券・商品先物などが上昇した一方、パルプ・紙、空運、鉄鋼などが下落した。株高を手がかりに野村ホールディングス<8604.T>や大和証券グループ本社<8601.T>など証券株が大幅高。半面、円安進行が全体にはポジティブに作用する中、円高メリット銘柄とみられているニトリホールディングス<9843.T>は売りに押された。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1234/値下がり359。米長期金利の上昇に金融株が強く反応しており、三菱UFJ、三井住友、みずほのメガバンク3行がそろって大幅上昇。第一生命や東京海上など保険株も騰勢を強めた。ファーストリテイリングが5万円の大台に乗せて上場来高値を更新。コナミG、任天堂、バンナムHDなどゲーム株に資金が向かった。円安進行でインバウンド需要拡大期待が高まり、三越伊勢丹や高島屋など百貨店株が大幅上昇。株式分割や増配が好感されたウェザーニューズが急騰した。
一方、第2四半期の個別出荷額が失望材料となったディスコが6.3%安。弱さが目立つ中で売買代金は全市場のトップとなった。原油高に伴う燃料価格上昇が懸念され、空運大手のANAHDが逆行安。米長期金利の上昇が嫌気され、三菱地所や住友不動産など不動産株の一角が軟調となった。先週、業績関連のニュースで跳ねた霞ヶ関キャピタルは、序盤に上を試す場面もあったものの、急失速して5%近い下落となった。
週明けの日経平均は大幅高。39000円の節目を難なく上回った。ただ、物色を見るとやや先行きに対する不安も出てくる。動きが良かったのは金融株で、これは米国の長期金利が上昇しただけに妥当な動き。一方、円安の恩恵が期待された自動車株は、トヨタやホンダが2%台の上昇というのは物足りなさもあった。半導体株はアドバンテストは強かったが、レーザーテックや東京エレクトロンはディスコ急落の余波を受けて1%台の上昇。防衛関連では三菱重工がかろうじてプラスを確保した程度にとどまった。
9月の雇用統計を受けて米国の長期金利は大きく上昇したが、ここからさらに金利の上昇を呼び込むような経済指標が相次いだ場合には、利下げ不要論が台頭してくる。そもそも金利の上昇は株式市場は歓迎しない話。米国株高や円安を受けて半導体株や自動車株が大きく上昇し、金融株も米金利上昇を支えに買われることで全面高になる、こういった流れであれば理想的であったが、やや金融株の反応が強すぎる印象。米国の長期金利が低下して金融株が買いづらくなった際に、日本株はネガティブな反応が大きくなってしまう可能性がある。日本株全体として余力を残しているとも考えられるが、米金利が低下すれば円安(ドル高)にも一服感が出てきやすい。金融株以外で日本株のけん引役が出てこないと、目先は指数の値動きがかなり不安定となる展開も想定される。
(山下)