株式明日の戦略-米国株高を好感できず大幅安、目先は上値の重い展開か

 17日の日経平均は大幅続落。終値は269円安の38911円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり559/値下がり1026。原子力委員会が高浜原発1号機の今後10年間の管理方針を認可したことに加えて、証券会社からポジティブなリポートも出てきたことで、電力株が人気化。関西電力、九州電力、中部電力などが急伸した。三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクが堅調。光世証券や東洋証券など証券株の一角が大きく上昇した。ストラテジックキャピタルの大株主浮上が判明したガンホーが年初来高値を更新。上期の見通しを引き上げたSIGグループは買いが殺到してストップ高比例配分となった。

 一方、東京エレクトロンやレーザーテックなど半導体株が全般軟調。キーエンスやファーストリテイリングなど超値がさ株が弱かった。TDK、ニデック、ロームなどハイテク株の多くが下落。直近で強く買われる場面があった免疫生物研究所、アイビー化粧日、ジーデップなどが利益確定売りに押されて大幅安となった。

 日経平均は大幅安。米国株が上昇しただけに、きょうは連れ高してほしかった。3月決算企業の上期業績発表がスタートすればもう少し雰囲気が良くなると思われるが、今は後場が必要ないくらい場中の商いが盛り上がらない。そのような中できのうの半導体株のように注目度の高い銘柄が派手に下げると、買い手は委縮する。それでも、日本株が米国株と連動していれば、今の米国株は基調が強いことから売りは手控えられる。しかし、きょうのように米国株と連動できなくなると、売りが急がれやすくなる。

 きょうは前日の米国株が上昇し、ドル円も落ち着いているのに日経平均は大きく下げるという残念な状況に陥った。安値引けとなってしまっただけに、あすも大きな期待は持ちづらい。全体の売買代金が回復してくるのは、早くてもニデックやキヤノンなど注目度の高い企業の決算が出てくる来週半ば以降になるだろう。それまでは不安定かつ上値の重い展開が続くと予想する。
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