NYマーケットダイジェスト・17日 ダウ史上最高値・金利上昇・ドル高・円安

(17日終値)
ドル・円相場:1ドル=150.21円(前営業日比△0.57円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.70円(△0.16円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0831ドル(▲0.0031ドル)
ダウ工業株30種平均:43239.05ドル(△161.35ドル)
ナスダック総合株価指数:18373.61(△6.53)
10年物米国債利回り:4.09%(△0.08%)
WTI原油先物11月限:1バレル=70.67ドル(△0.28ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2707.5ドル(△16.2ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続伸。9月米小売売上高や10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、前週分の米新規失業保険申請件数が予想よりも強い内容だったことが分かると、米経済の底堅さが改めて意識されて、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行。21時30分過ぎに一時150.08円まで値を上げた。
 そのあとはポジション調整目的の売りなどに押されて、149.64円付近まで上値を切り下げる場面もあったが、下押しは限定的。10月米NAHB住宅市場指数が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、4時過ぎには一時150.32円と8月1日以来約2カ月半ぶりの高値を更新した。

・ユーロドルは4日続落。欧州中央銀行(ECB)はこの日開いた定例理事会で、市場予想通り政策金利を0.25%引き下げることを決めたと発表。今後の動きについては「データに基づいて会合ごとに決定を下す」との見解を改めて表明し、利下げペースはデータ次第との説明を維持した。結果公表直後はユーロ買い・ドル売りで反応し、一時1.0874ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、200日移動平均線が位置する1.0873ドルがレジスタンスとして意識されると一転下落した。ラガルドECB総裁が理事会後の記者会見で「経済は予想よりもやや弱い」「成長に対するリスクは下振れ方向」「インフレのリスクは恐らく上方向ではなく、やや下方向」との見解を示したこともユーロ売りを誘った。市場では「ユーロ圏でインフレ鈍化が進んでいることを踏まえ、ECBが12月に追加利下げを決めるとの観測が出ている」との声が聞かれ、22時30分前に一時1.0811ドルと8月2日以来の安値を更新した。その後の戻りも1.0841ドル付近にとどまった。

・ユーロ円は3日ぶりに小反発。21時30分過ぎに一時162.72円まで値を上げたものの、ECB総裁の発言が伝わると失速し一時161.85円と日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後は再び買いが優勢となり、1時過ぎには162.76円と日通し高値を付けた。ドル円の上昇につれた買いが相場を下支えした。
 独DAXやNYダウが史上最高値を更新するなど、欧米株価が底堅く推移する中、リスク・オンの円売りも出やすかった。ポンド円は一時195.60円、豪ドル円は100.69円、NZドル円は91.11円、カナダドル円は108.98円、メキシコペソ円は7.57円まで値を上げた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、史上最高値を更新した。堅調な米経済指標を受けて米景気への楽観が広がると、買いが優勢となった。半導体受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC)の第3四半期決算が良好な内容となったことも投資家心理の改善につながった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら続伸。エヌビディアは株式分割後ベースの高値を更新したものの、引けにかけては利食い売りなどに押された。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。堅調な米経済指標を背景に景気への楽観が広がると、債券売りが優勢となった。

・原油先物相場は5日ぶりに反発。米エネルギー省(EIA)の週間在庫統計で原油が3週ぶりに取り崩しとなり、買い戻しが優勢に。その後、イスラム組織ハマスの最高指導者がイスラエル軍に殺害されたことが確認され、組織弱体化から中東情勢が沈静化するとの思惑が一部で広まった。原油も売りで反応したが69ドル半ばを下値に切り返し、70ドル台で水準を切り上げて終えた。

・金先物相場は3日続伸。米金利の上昇や為替のドル高進行など相場の逆風となり得る材料は見られたが、この日も旺盛な需要に金価格は押し上げられた。なお、イスラエル軍がイスラム組織ハマスの最高指導者を殺害したことが報じられた。組織が弱体化する可能性はあるものの、中東情勢の混迷が更に深まるとの見方も根強いなか安全資産の金に資金が向かった面もあるもよう。

(中村)
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