ロンドン為替見通し=欧州圏各種PMIを確認しつつ景況感を探る展開か

 本日の欧州市場では、欧州各国から発表される購買担当者景気指数(PMI)速報値の結果に左右される展開になりそうだ。

 その中で特に警戒しなくてはならないのは、欧州圏最大の経済規模となるドイツの製造業PMIだろう。市場予想は40.8と前月の40.6から小幅改善が見込まれている。とはいえ、2022年7月に好不況の分岐点となる50を割り込んでからは一度も回復していない。また、一部で次回12月の欧州中銀(ECB)理事会での0.50%利下げ観測が浮上していることもあり、予想を下回った時のほうが相場への影響があるかもしれない。ドイツの前後に発表されるフランスやユーロ圏の製造業PMIにも注目したい。

 また、英国でもPMIが発表予定となっている。製造業PMIの市場予想は51.4と前月の51.5から小幅低下の見込み。とはいえ、好不況の分岐点の50は上回る見通しとなっている点がドイツをはじめとするユーロ圏と大きく異なる。もしユーロ圏と英国の景況感格差が注目されるようだと、ユーロポンドでユーロ売り・ポンド買いの流れとなることも考えられる。

 そのほか引き続き、米長期金利の動向にも注意したい。金利上昇が続くようならば対ユーロや対ポンドでドルが買われやすい流れが続くことが予想される。
 
 なお、欧州時間は主だった要人発言は予定されていないが、NY市場午前にマン英中銀金融政策委員会(MPC)委員とカザークス・ラトビア中銀総裁、午後以降にレーン欧州中央銀行(ECB)専務理事、ベイリー英中銀(BOE)総裁の発言機会が設けられている。


想定レンジ上限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の転換線1.0852ドル
・ポンドドル:日足・一目均衡表の雲下限1.2990ドル
・ユーロポンド:8日高値0.8405ポンド

想定レンジ下限
・ユーロドル:心理的節目の1.0700ドル
・ポンドドル:200日移動平均線1.2802ドル
・ユーロポンド:18日安値0.8295ポンド


(川畑)
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