ロンドン為替見通し=欧州圏各種PMIの結果次第の動きに、ユーロポンドにも注目

 本日の欧州市場では、欧州各国から発表される購買担当者景気指数(PMI)速報値の結果に左右される展開になりそうだ。

 特に警戒しなくてはならないのは欧州圏最大の経済規模となるドイツのPMI。製造業は2022年7月に景況の強弱を判断する節目50を割り込んでから、一度も50を超えていない。今回の予想も前回の42.4を下回る42.3と予想されている。また、製造業の不調が徐々にサービス業に波及してきているのも如実に表れてきている。サービス業PMIは5月には54台まで回復したものが、前回は51.4まで低下し、今回は51.2まで更に下がる予想になっている。製造業だけでなくサービス業も落ち込めば、市場が予想するよりも早く欧州中央銀行(ECB)が利下げに傾く可能性もありそうだ。

 一方で英国の製造業PMIは、今回は前回よりも低下し52.5程度の予想になっているが、英国製造業は昨年8月には43.0まで落ち込んでいたものが回復傾向にある。先週発表された英国の経済指標は8月の消費者物価指数(CPI)コア指数が予想を上回り、同月小売売上高も大幅に予想を上振れた。その影響もあり、先週末にはユーロポンドは0.8378ポンドまでポンド高・ユーロ安が進んでいる。本日の早朝は僅かに同水準を下回り0.8377ポンドまで下押した。もし、本日発表されるPMIでドイツが弱く、英国が強くなった場合はさらにユーロポンドが下値をトライすることになりそうだ。


想定レンジ上限
・ユーロドル:8月26日に付けた年初来高値1.1202ドル。
・ポンドドル:20日に付けた年初来高値1.3340ドル。上抜けると2022年3月3日高値1.3418ドル。
・ユーロポンド:日足一目均衡表・転換線0.8420ポンド。

想定レンジ下限
・ユーロドル:日足一目均衡表・基準線1.1102ドル。
・ポンドドル:20日安値1.3268ドル。その下は日足一目均衡表・転換線1.3171ドル。
・ユーロポンド:2022年8月安値0.8340ポンド。割り込むと同年安値0.8203ポンドを目指すか。


(松井)
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