株式明日の戦略-トランプ氏勝利を織り込み4桁高、当面は好地合いが継続か

 6日の日経平均は大幅続伸。終値は1005円高の39480円。米国株高を好感して、寄り付きから200円を超える上昇。東京時間でドル円が円安に振れたことから、前場では上げ幅を広げる流れが続いた。強い動きが米大統領選のトランプ氏優勢を織り込んでいるとの見方が強まり、前場は800円を超える上昇となって高値引け。後場は前引けから200円超水準を切り上げ、4桁高からのスタートとなった。

 上げ幅を1100円超に広げ、39600円台に乗せたところで買いは一巡。13時近辺では失速感が出てきてしばらく値を消した。ただ、トランプ氏優位を伝えるニュースが相次いだことから14時以降は盛り返し、再び上げ幅を拡大。951円高(39426円)でクロージング・オークションに入り、やや上げ幅を広げて4桁の上昇で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で5兆6300億円と高水準。業種別では銀行、機械、その他製品などが上昇した一方、海運、水産・農林、電気・ガスなどが下落した。通期の利益および期末配当の見通しを引き上げたIHI<7013.T>が後場に買いを集めてストップ高。半面、通期の純利益見通しを引き下げたホンダ<7267.T>が、後場マイナス圏に沈んで6%を超える下落となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1099/値下がり486。米大統領選のトランプ氏優勢を手がかりに防衛関連が人気化。決算で跳ねたIHIだけでなく、三菱重工や川崎重工も値幅を伴った上昇となった。トランプ氏の政策が米金利上昇をもたらすとの見方から、三菱UFJや三井住友など銀行株が軒並み高。アドバンテストやディスコなど半導体株に強い動きが見られた。任天堂は通期見通しを下方修正したものの、悪材料出尽くし感から株価は好反応を示して5.8%高。ティラドやイトーキが業績関連のリリースを材料に急伸した。

 一方、1Qの営業減益着地や米国法人のCEO退任発表が嫌気されたメルカリが16%安。決算を発表した日本郵船や川崎汽船の反応がさえず、商船三井も含めて海運大手3社がそろって逆行安となった。大真空やグンゼが決算を受けて急落。トランプ氏優勢報道で政策面で逆風が予想される銘柄が嫌われており、EV(電気自動車)関連のパナソニックや新エネルギー関連のエヌピーシーが大きく値を崩した。

 日経平均は大幅上昇。大注目の米大統領選に関するニュースを消化しつつ、トランプ氏の勝利を織り込みながら、円安・株高の流れが強まった。本日の米国株高は先取りした格好となるが、米国では7日にFOMCの結果が出てくる。今回は0.25%の利下げが濃厚で、FRBも米大統領選直後のタイミングで市場を混乱させるようなメッセージは出さないと思われる。反動安に見舞われたとしても下値では買いが入りやすく、当面は楽観ムードの強い地合いが継続する公算が大きい。

 きょうは値幅が大きくなる中で、プライムの売買代金も概算で5兆6300億円と商いが盛り上がった。米大統領選を通過するまでは売買を手控えていた投資家も少なくないと推測される。国内では引き続き注目度の高い企業の決算が多く出てくる。先高期待が強まる中で、あす以降も売買代金5兆円超えが続くかどうかに注目しておきたい。
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。