NY為替見通し=トランプ・トレードの巻き戻しに警戒、米経済指標にも注目

 本日のニューヨーク市場では週初から急速に進んだトランプ・トレードの巻き戻しに警戒しながら、複数の米経済指標を確認しての取引となる。昨日のNY株式市場は下落し、その流れを引き継いだまま時間外の米株先物は欧州前半まで軟調に推移。東京仲値前まで堅調だったドル円も156円を下抜けて155.30円割れまで下げ幅を広げた。トランプ次期米政権への期待感を背景とした株買いやドル買いに一服感が出ている。

 昨日のNY終盤にかけては、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が示した見解「堅調な米景気を踏まえれば、利下げを急ぐ必要はない」が材料視された。もっとも、ドル円は昨日の上げ幅をほぼ吐き出している。今後の米金利についてパウエル議長は「指標と経済見通し次第」と述べており、そうなるとやはり今晩の米指標が注目となるだろう。

 22時30分発表の10月米小売売上高(前月比)は、総合・自動車を除くともに前回水準を下回るというのが市場予想。同時刻に明らかとなる11月NY連銀製造業景気指数は前回から改善見込みだが、市場の目は個人消費の強弱を測れる小売売上高に向かうだろう。週末ということで持ち高調整も考慮すれば、予想比下振れにより反応することになるか。

 また、その後に発表される10月米鉱工業生産(前月比)は、前回と変わらないマイナス圏が予想されている。コリンズ米ボストン連銀総裁のあいさつも予定されており、NY前半には指標結果や当局者の発言内容次第で、為替だけでなく株式や債券市場で値幅を伴った動きが見られるかもしれない。

想定レンジ上限
・ドル円、本日高値156.75円

想定レンジ下限
・ドル円、13日安値154.34円


(小針)
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