ロンドン為替見通し=リスク回避ムード引き継がれるか見定め

 本日のロンドン為替市場では、トランプ米次期大統領の関税強化発言をきっかけに東京午前で広がったリスク回避ムードが引き継がれるかを見定める展開か。複数の欧州金融当局者も発言も予定されており、次期米政権への言及が注目される。

 トランプ氏は米国時間25日、自身のSNSに「中国から輸入される全ての製品に10%の追加関税を課す」と投稿。くわえて「カナダとメキシコからの全輸入品にも25%の関税を課す」と発表した。これを受けて、人民元だけでなく、カナダドルやメキシコペソが対ドルや円で売り込まれた。欧州通貨もつれて対ドルや対円で下値を試す場面があった。

 中国への対応は、次期大統領がこれまで言い続けてきたこと。米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を結ぶメキシコに対する25%は確かに大きいが、同国に関税を課す可能性をトランプ氏は示唆してきた。サプライズは、友好国であるカナダに対しても大幅な関税を表明したことだろう。メキシコとカナダについては、薬物や不法移民の米流入を取り締まるまで関税を維持するとした。

 トランプ次期大統領が保護主義的な貿易政策を取ることは予想されていたものの、より強硬な姿勢を示し始めたことで、欧州連合(EU)も警戒感を強めざるを得ないだろう。米国が輸入するEU製品ついて、今後トランプ氏がどのような措置を取るのか注視される。

 なお金融当局者の講演は、欧州前半にフランスとポルトガルの中銀総裁、フィンランド中銀総裁の議会証言を経て、後半にはエストニアとラトビアの中銀総裁が予定されている。

想定レンジ上限
・ユーロドル、21日高値1.0555ドル
・ユーロ円、22日高値であり日足一目均衡表・転換線の162.49円

想定レンジ下限
・ユーロドル、22日終値1.0418ドルを割り込むようだと同日安値1.0335ドルが意識される。
・ユーロ円、22日安値159.93円


(小針)
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