NYマーケットダイジェスト・27日 株反落・金利低下・ドル安・円高

(27日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.09円(前営業日比▲1.99円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.66円(▲0.92円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0566ドル(△0.0077ドル)
ダウ工業株30種平均:44722.06ドル(▲138.25ドル)
ナスダック総合株価指数:19060.48(▲115.10)
10年物米国債利回り:4.26%(▲0.04%)
WTI原油先物1月限:1バレル=68.72ドル(▲0.05ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2664.8ドル(△18.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
7-9月期米国内総生産(GDP)改定値
(前期比年率)  2.8%      2.8%
個人消費改定値
(前期比年率)  3.5%      3.7%
コアPCE改定値
(前期比年率)  2.1%      2.2%
10月米耐久財受注額
(前月比)    0.2%    ▲0.4%・改
輸送用機器を除く
(前月比)    0.1%     0.4%・改
10月米個人所得
(前月比)    0.6%     0.3%
10月米個人消費支出(PCE)
(前月比)    0.4%    0.6%・改
10月PCEデフレーター
(前年比)    2.3%     2.1%
10月PCEコアデフレーター
(前月比)    0.3%     0.3%
(前年比)    2.8%     2.7%

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。7-9月期の米国内総生産(GDP)改定値は市場予想通りの結果となったものの、同時に発表された個人消費やコアPCE、10月米耐久財受注額が予想を下回ると全般ドル売りが先行した。ただ、その後発表の10月米個人消費支出(PCE)や個人所得が予想を上回ると買い戻しが入り、151.80円付近まで下げ渋る場面があった。なお、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視しているPCE価格指数(デフレーター)や変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターは市場予想と一致した。
 もっとも、月末が近づく中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると再び弱含んだ。米7年債入札後に米長期金利が低下幅を拡大したことも相場の重しとなり、一時150.46円と10月21日以来の安値を更新した。200日移動平均線が位置する152.00円を下抜けたことでテクニカル的にも売りが出やすかった。

・ユーロドルは反発。シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事が過度な利下げに慎重な姿勢を示したことから、ECBの大幅利下げ観測が後退。NY市場に入ってもユーロ買い・ドル売りが出た。米長期金利の低下に伴うドル売りや、ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りが観測されると一時1.0588ドルと日通し高値を更新した。明日28日の米感謝祭の祝日を前にポジション調整目的のドル売りも出たようだ。

・ユーロ円は続落。欧州市場では一時159.10円と10月2日以来の安値を付けたものの、NY市場では下げ渋る展開に。ユーロドルの上昇につれた買いが入ると、160.06円付近まで下げ幅を縮める場面があった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は6日ぶりに反落。米景気の底堅さを背景に買いが入ると、プラス圏で推移する場面もあった。ただ、連日で史上最高値を更新したあとだけに、短期的な過熱感が意識されると次第に売りが優勢となった。明日28日の感謝祭の祝日を前に、持ち高調整目的の売りも出た。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日ぶりに反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは反発。明日28日の感謝祭の祝日を前に、持ち高調整目的の買いが入った。7年債入札の結果が今週実施された2年債と5年債の入札に続いて「堅調」と受け止められたことも相場の支援材料。

・原油先物相場は小幅ながら3日続落。為替相場でドルが対ユーロなどで下落し、ドル建ての原油に割安感が生じたことが支えとなるも、中東情勢の緊張感が緩んだことが上値を圧迫し値動きは限られた。
 また、米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計で原油在庫が予想以上の取り崩しとなった一方で、ガソリンとディスティレート(留出油)在庫は予想以上の積み増しとなり、売り買いが交錯し方向感にはつながらなかった。

・金先物相場は上昇。為替相場でドル安・ユーロ高が進み、ドル建ての金に割安感が生じたことや、米長期金利が大幅低下したことが支えとなった。

(中村)
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