NYマーケットダイジェスト・21日 株高・金利上昇・ユーロ安・円高

(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.54円(前営業日比▲0.90円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.87円(▲2.01円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0474ドル(▲0.0070ドル)
ダウ工業株30種平均:43870.35ドル(△461.88ドル)
ナスダック総合株価指数:18972.42(△6.28)
10年物米国債利回り:4.42%(△0.01%)
WTI原油先物1月限:1バレル=70.10ドル(△1.35ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2674.9ドル(△23.2ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
        ▲5.5       10.3
前週分の米新規失業保険申請件数
       21.3万件     21.9万件
10月米中古住宅販売件数
(前月比)   3.4%     ▲1.3%・改
(年率換算件数)396万件    383万件・改
10月米景気先行指標総合指数
(前月比)   ▲0.4%    ▲0.3%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは3日続落。「ロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した」と伝わると、ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの懸念からユーロ売り・ドル買いが優勢となった。ユーロ圏経済の先行き不透明感から欧州中央銀行(ECB)が12月に追加利下げを決めるとの見方も根強く、ユーロ売りが出やすい面もあった。前日の安値1.0507ドルや14日の安値1.0497ドルを下抜けると目先のストップロスを巻き込んで、一時1.0462ドルと昨年10月4日以来の安値を更新した。11月ユーロ圏消費者信頼感速報値が予想を下回ったことも相場の重し。
 なお、グールズビー米シカゴ連銀総裁はこの日、「米連邦準備理事会(FRB)は追加利下げを実施しなければならない」としながらも、「利下げは一段と緩やかなペースで行う必要がある」と改めて表明した。

・ドル円は反落。ロシアが攻撃の一環としてICBMを使用したと伝わると、ロシアとウクライナの戦闘激化に対する警戒が高まった。米国株相場が下げに転じたタイミングでリスク・オフの円買い・ドル売りが強まると一時153.91円と日通し安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。米国株相場の持ち直しや米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが出ると、3時30分過ぎには154.70円付近まで下値を切り上げた。
 なお、この日発表の11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や10月米景気先行指標総合指数は予想を下回った一方、前週分の米新規失業保険申請件数や10月米中古住宅販売件数は予想より強い内容となるなど、強弱入り混じる結果となった。

・ユーロ円は下落。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒からリスク回避の円買いが先行。ユーロドルの下落につれた売りも出ると一時161.75円と日通し安値を更新した。その後の戻りも162.20円付近にとどまった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。ウクライナとロシアの戦闘激化への警戒から売りが強まると指数は下げに転じる場面もあった。ただ、米経済の底堅さを背景に景気敏感株に買いが集まると上げに転じた。市場では「米半導体大手エヌビディアが前日発表した四半期決算の内容をこなしたあとは幅広い銘柄に買いが広がった」との声が聞かれ、指数は一時610ドル超上昇した。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小反発。

・米国債券相場で長期ゾーンは続落。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒感から買いが先行したものの、米国株相場が底堅く推移すると失速した。このところ、FRB高官から利下げに慎重な発言が相次いでいることも相場の重し。

・原油先物相場は反発。「ロシアがICBMを発射」と報じられ、露・ウクライナ戦闘激化による地政学リスクの高まりが原油供給の流れを停滞させるとの懸念が押し上げ要因となった。

・金先物相場は大幅に4日続伸。「ロシアがICBMを発射」とのニュースが流れ、リスク回避資産である金は買われた。2700ドル付近と、11日以来の高値圏で推移した。

(中村)
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