NYマーケットダイジェスト・11日 株最高値・ユーロ安・ドル高

(11日終値)
ドル・円相場:1ドル=153.72円(前営業日比△1.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.77円(△0.16円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0655ドル(▲0.0063ドル)
ダウ工業株30種平均:44293.13ドル(△304.14ドル)
ナスダック総合株価指数:19298.77(△11.99)
10年物米国債利回り:休場
WTI原油先物12月限:1バレル=68.04ドル(▲2.34ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2617.7ドル(▲77.1ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ユーロドルは続落。ユーロ圏最大のドイツ経済で不振が続いていることから、欧州経済の先行き不透明感を背景にユーロ売りが出やすい地合いとなった。市場では「トランプ次期政権による関税政策が、欧州経済に悪影響を及ぼすとの懸念も根強い」との声も聞かれ、24時前には一時1.0629ドルと4月22日以来の安値を更新した。
 ただ、NY午後に入ると1.06ドル台半ばで次第に値動きが細った。本日はベテランズデーで米債券市場が休場となったため、市場参加者が少なく大きな方向感が出なかった。

・ドル円は3日ぶりに反発。対ユーロ中心にドル高が進むと、円に対してもドル買いが先行。ダウ平均が連日で史上最高値を更新したほか、日経平均先物が上昇したことなども相場の支援材料となり、一時153.95円と日通し高値を付けた。市場では「ドル先高観や日銀の早期利上げ観測後退で円売り・ドル買いが出やすい」との指摘もあった。
 なお、石破茂首相は記者会見で「半導体や人工知能(AI)の分野で2030年度までに10兆円以上の公的支援を行う」と表明。また、「次期春闘での賃上げや最低賃金の中期的引き上げに向けて、月内にも政労使による協議の場を持つ」と明らかにした。

・ユーロ円は3日ぶりに小反発。アジア時間に一時164.66円まで上昇した影響が残ったものの、欧米市場では上値の重さが目立った。独連立政権崩壊でユーロ圏景気への懸念が意識される中、全般ユーロ売りが進んだ流れに沿った。欧州経済の動向に配慮して欧州中央銀行(ECB)が追加利下げを進めるとの観測からユーロ売りも出やすく、24時前には一時163.58円付近まで下押しした。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。トランプ次期政権が打ち出す減税や規制緩和が米景気を押し上げるとの期待が引き続き相場を支えた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら5日続伸し、史上最高値で取引を終えた。

・米国債券相場はベテランズデーのため休場となった。

・原油先物相場は続落。中国で発表された新たな景気刺激策への失望のほか、供給が2025年には増加するとの見通しなどから、売りが優勢となった。

・金先物相場は続落。ダウ平均の史上最高値更新などでリスクを積極的にとる地合いの中、相対的に安全資産とされる金に売りが出た。

(中村)
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