欧州マーケットダイジェスト・17日 株安・金利上昇・ドル高

(17日終値:18日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.24円(17日15時時点比△0.58円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=166.83円(▲0.37円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1486ドル(▲0.0072ドル)
FTSE100種総合株価指数:8834.03(前営業日比▲41.19)
ドイツ株式指数(DAX):23434.65(▲264.47)
10年物英国債利回り:4.550%(△0.017%)
10年物独国債利回り:2.535%(△0.008%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
6月独ZEW景況感指数
        47.5        25.2
6月ユーロ圏ZEW景況感指数
        35.3        11.6

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。イスラエルとイランの軍事衝突が激化し、世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が高まる中、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、「有事のドル買い」が優勢となった。前日と同様に、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに向けたドル買いのフローが観測されると一時145.29円まで値を上げた。
 その後、一目均衡表基準線145.30円や雲上限145.60円がレジスタンスとして意識されるといったんは144.91円付近まで伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。3時前には145.30円と日通し高値を更新した。
 なお、メルツ独首相は「米国は17日中に対イラン参戦の是非を決定へ」と述べたほか、「トランプ米大統領は米国家安全保障会議(NSC)チームと会談」「イスラエル・イラン問題で政策を決定する」との報道が伝わった。

・ユーロドルは軟調。イスラエルとイランの攻撃の応酬が続くなど中東情勢が緊迫する中、「株安・原油高・ドル高」の様相が強まった。前日の安値1.1524ドルを下抜けると、3時前に一時1.1479ドルと日通し安値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時98.79まで上昇した。
 なお、5月米小売売上高や5月米鉱工業生産、6月米NAHB住宅市場指数など、この日発表の米経済指標は軒並み予想を下回ったものの、相場の反応は限られた。

・ユーロ円は弱含み。ドル相場となったためユーロ円自体は方向感が出にくく、しばらくはもみ合いの展開が続いた。ただ、NY午後に入ると中東情勢の緊迫を背景に米国株相場が軟調に推移。リスク回避の円買いが入り、3時前に一時166.75円と日通し安値を更新した。

・ロンドン株式相場は反落。中東情勢を巡る地政学リスクへの警戒感が根強い中、売りが優勢となった。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値下がりした。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株も軟調だった。

・フランクフルト株式相場は反落。イスラエルとイランの軍事衝突が激化し、世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が高まる中、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、株売りが広がった。個別ではフレゼニウス・メディカル・ケア(4.47%安)やコメルツ銀行(4.33%安)、ザランド(2.44%安)などの下げが目立ち、MTUエアロ・エンジンズ(1.69%高)などを除く35銘柄が下落した。

・欧州債券相場は下落。6月独ZEW景況感指数が47.5と予想の35.0を上回ると債券売りが優勢となった。

(中村)
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