NYマーケットダイジェスト・29日 ダウ最高値・金利上昇・ドル強含み・ユーロ安

(29日終値)
ドル・円相場:1ドル=144.99円(前営業日比△0.40円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.62円(▲0.16円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1077ドル(▲0.0043ドル)
ダウ工業株30種平均:41335.05ドル(△243.63ドル)
ナスダック総合株価指数:17516.43(▲39.60)
10年物米国債利回り:3.86%(△0.03%)
WTI原油先物10月限:1バレル=75.91ドル(△1.39ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2560.3ドル(△22.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
4-6月期米国内総生産(GDP)改定値
(前期比年率)  3.0%      2.8%
個人消費改定値
(前期比年率)  2.9%      2.3%
コアPCE改定値
(前期比年率)  2.8%      2.9%
7月米卸売在庫
(前月比)    0.3%     0.1%・改
前週分の米新規失業保険申請件数
        23.1万件   23.3万件・改
7月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
(前月比)   ▲5.5%     4.8%
(前年比)   ▲4.6%    ▲7.8%

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続伸。4-6月期米国内総生産(GDP)改定値が前期比年率3.0%増と予想の2.8%増を上回り、速報値から上方修正されたことが分かると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行。その後発表の7月米住宅販売保留指数が予想を下回るといったんは伸び悩んだものの、下押しは限定的となり、23時30分過ぎには一時145.55円と日通し高値を更新した。
 ただ、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングを通過すると徐々に上値が重くなった。市場では「一目均衡表転換線が位置する145.75円が重要なレジスタンスとして意識される」との声が聞かれたほか、ナスダック総合や日経平均先物が下げに転じるとクロス円とともに円高方向に傾いた。4時前には144.73円付近まで下押しした。

・ユーロドルは続落。8月独消費者物価指数(CPI)速報値が前月比0.1%低下と予想の0.1%上昇に反して低下したことが分かるとユーロ売りが先行。4-6月期米GDP改定値が予想を上回るとドル買いが活発化し、23時30分過ぎに一時1.1056ドルと日通し安値を更新した。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するバーキン米リッチモンド連銀総裁は「インフレは低下したものの、まだ道半ば」と述べたほか、ナーゲル独連銀総裁は「2%のインフレ目標は視野に入っているが、まだ達成はできていない」などと語った。

・ユーロ円は5日続落。独インフレ指標の下振れを受けてユーロ売りが先行すると一時160.03円と日通し安値を付けたものの、欧州株相場や日経平均先物の上昇に伴う円売り・ユーロ買いが出ると22時過ぎに161.26円付近まで持ち直した。
 ただ、アジア時間に付けた日通し高値161.27円が目先レジスタンスとして意識されると再び上値が重くなった。ユーロドルの下落や日経平均先物の失速につれた売りが出ると160.32円付近まで押し戻された。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、史上最高値を更新した。4-6月期米GDP改定値が予想を上回り、速報値から上方修正されたことが分かると、米経済がソフトランディング(軟着陸)出来るとの期待が高まり、消費や金融、資本財関連株に買いが入った。
 一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落。前日に決算を発表したエヌビディアが軟調に推移したことが指数の重しとなった。

・米国債券相場で長期ゾーンは4日続落。4-6月期米GDP改定値が予想を上回ると売りが優勢となった。7年債入札の結果が「やや低調」と受け止められたことも相場の重し。

・原油先物相場は3日ぶりに反発。石油輸出国機構(OPEC)加盟国・リビアにおける油田閉鎖の拡大が供給不安を強め、OPECでは産油規模2位のイラクが減産を計画しているとの一部報道も相場を押し上げた。一時77ドル手前まで買われる場面があった。

・金先物相場は3日ぶりに反発。4-6月期米GDP改定値が予想を上回ったことが分かると金は売られたが、下値の固さを確認するに留まった。中東やウクライナを巡る地政学リスクは高まったままであり、安全資産とされる金への需要は旺盛なまま。米金融政策の緩和転換という見方も支えに2562ドル台まで上値を伸ばした。

(中村)
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