ロンドン為替見通し=ユーロドル、仏政局不安の中で方向感を探る動きか

 本日のロンドン市場では、フランスの政局不安がくすぶる中、各種指標などを確認しつつ、ユーロの方向感を探る展開となるか。

 フランスでは昨日、議会で内閣不信任案が可決されたことで、バルニエ首相はマクロン大統領に辞表を提出し、内閣は総辞職となった。今後は大統領が新首相を指名して再度予算案に臨むこととなるが、バルニエ首相が採決前に「財政赤字の現実は不信任案の魔法で消えることはない」と話したように、財政赤字問題は抱えたままであり、新首相が誕生しても予算案の難航が見込まれる。このことから、ユーロは積極的には買いづらい展開が続くとみる。欧州引け後にはなるが、日本時間6日4時に予定されている、大統領の声明に注目したい。

 また、本日は独10月新規製造業受注や仏10月鉱工業生産、ユーロ圏10月小売売上高などが発表予定。一つ一つは市場への影響は小さいかもしれないが、弱い内容が相次いだ場合はユーロ圏の景気不安につながることも考えらえる。結果を確認してゆきたい。

 要人発言では、ややタカ派と目される、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁の発言機会が予定されている。ただ、昨日「会合ごとにアプローチすることが依然として適切」「不確実性の中で金利変更は少しずつ行う方がよい」などと発言した直後ということもあり、手掛かり材料になる発言は期待しづらいかもしれない。

 一方、NY市場では明日の米雇用統計を前に、複数の雇用関連指標が発表予定となっている。市場の関心事の一つが米国の金融政策となっていることからも、金融政策に影響を与える雇用の行方は注目されやすい。欧州の指標や要人発言を消化した後はドルの動向に左右される相場展開も考えられる。


想定レンジ上限
・ユーロドル:11月29日高値1.0597ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル:2日安値1.0461ドル


(川畑)
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