NY株見通しー12月利下げ見通しを巡り11月雇用統計に注目

 今晩は雇用統計に注目。昨日は翌日発表の11月雇用統計を控えた様子見姿勢が強まる中、ユナイテッドヘルスの大幅安も重しとなったダウ平均が248.33ドル安(-0.55%)と反落し、S&P500とナスダック総合もともに取引時間中の史上最高値を更新したが、それぞれ0.19%安、0.18%安で終了し、ともに5日ぶりに小幅反落した。週初来ではダウ平均が0.32%安と3週ぶりの反落ペースとなった一方。S&P500が0.71%高、ナスダック総合が2.51%高とともに3週続伸ペースとなった。

 今晩は利下げ見通しを巡り11月雇用統計に注目が集まる。米連邦準備理事会(FRB)は今年9月米連邦公開市場委員会(FOMC)でFF金利誘導目標を0.50%引き下げ、11月FOMCでも0.25%の利下げを決定した。今月17-18日に開催のFOMCでも追加利下げが期待されているが、パウエルFRB議長は今週、米国経済の堅調を理由に利下げについては慎重に判断する余裕があると発言したことで、12月の利下げ見送りの可能性も高まった。CMEのフェドウォッチ・ツールの12月FOMCでの0.25%の利下げ確率は72%と1カ月前の77%から低下し、据え置き確率は28%に上昇した。

 寄り前に発表される11月雇用統計は、来週発表される11月消費者物価指数(CPI)、11月生産者物価指数(PPI)と同様にFOMC前の重要イベントとなるため、利下げ見通しを巡り、11月雇用統計の結果が注目される。雇用統計の市場予想は非農業部門雇用者数(NFP)が21.4万人増と、ハリケーンの影響で減少した10月分の1.2万増から大幅回復が見込まれており、失業率は4.2%と10月分の4.1%から悪化が見込まれている。NFPや失業率が予想以上に強い結果となれば、12月利下げ期待の後退が株式相場の重しとなりそうだ。

 今晩の米経済指標・イベントは11月雇用統計のほか、12月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値、10月消費者信用残高など。このほか、ボウマンFRB理事、グールズビー米シカゴ連銀総裁、ハマック米クリーブランド連銀総裁、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁の講演なども予定されている。主要な企業の決算発表はなし。(執筆:12月6日、14:00)
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