NY為替見通し=市場の関心はECB理事会 政策金利と共に総裁会見やスタッフ予想にも注目

 本日のNY市場では、欧州中銀(ECB)理事会に関心が集まっている。市場では0.25%利下げがコンセンサスとなっている。もっとも、来年からのトランプ関税によるユーロ圏の景況感悪化や独・仏の政局混迷が懸念されていることや、ビルロワドガロー仏中銀総裁やカザークス・ラトビア中銀総裁からは0.50%利下げを示唆する発言が出ていることから、大幅利下げへの警戒感がくすぶる。

 また、今回の理事会では四半期に一度のECBのスタッフ予想も公表される見通し。前回9月は、GDP予想は2024年から2026年までを下方修正、コアインフレ率は2024年と2025年をわずかに上方修正であった。足もとで欧州景気の悪化が懸念される中、こちらも確認してゆきたい。

 理事会の後にはラガルドECB総裁の会見が控えている。前回は「経済は予想よりもやや弱い」などの見解を示したことでユーロ売りを誘った。今回も「データに基づいて会合ごとに決定を下す」など慎重姿勢を維持することも想定されるが、金利や景気についてどのような見解を示すか、発言内容に市場の関心が集まりそうだ。

 他方、米国では11月卸売物価指数(PPI)が発表予定。翌週の米連邦公開市場委員会(FOMC)前に発表される最後のインフレ指標ということで確認しておきたい。市場予想は前月比+0.2%/前年比+2.6%、コアは前月比+0.2%/前年比+3.2%となっている。そのほか、週次の新規失業保険申請件数や、米30年債入札なども予定されている。

 そのほか、翌週の日銀会合を前に、観測報道には引き続き警戒したい。


想定レンジ上限
・ユーロドルは11月26日安値1.0425ドル。割り込むと同月22日安値1.0335ドル
・ドル円は11月27日高値153.23円

想定レンジ下限
・ユーロドルは日足・一目均衡表の基準線1.0580ドル。超えると6日高値1.0630ドル。
・ドル円は日足・一目均衡表の雲上限151.66円。


(川畑)
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