東京為替見通し=ドル円、日銀会合の結果と植田日銀総裁会見に要注目

 18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は154.87円まで上昇した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の追加利下げが決定されたものの、ドット・プロットで2025年の利下げ回数が9月の4回から2回に減ったことでドル買いが強まった。ユーロドルは1.0344ドルまで下落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的な利下げを受けて続伸が予想される中、日経平均株価の動向に注視しながら日銀金融政策決定会合の結果と植田日銀総裁会見を見極める展開となる。

 FOMC声明は、9月の「追加的調整を検討」から「追加的調整の程度とタイミング(extent and timing)を検討」へと変更され、ドット・プロットでは、2025年の利下げ回数が9月の4回から2回に減ったことで、ドルは全面高の展開となっている。

 日銀会合では、数社のメディアからの報道「消費者物価の上昇に加速感が見られず、海外経済の不確実性が強まっている中で、日銀は追加利上げを急ぐ状況にはないと認識」を受けて、0.25%の利上げは見送られることが見込まれている。

 想定されているシナリオは以下の通りとなっている。
・今回は利上げ見送りだが、1月には0.25%の追加利上げが示唆される
・今回と1月は、第2次トランプ米政権の政策を見極めるため利上げ見送りが示唆される
・春闘での賃上げ状況が確認でき、日米の政策の不透明感が払拭される4月以降の利上げが示唆される

 植田日銀総裁の会見では、11月末に報じられた利上げを示唆した見解と利上げ見送り判断との整合性に注目することになる。

 植田総裁は、「利上げのタイミングについては、経済データがオントラック(想定通り)に推移しているという意味では近づいているといえる。インフレ率が2%を超え始めている時に一段の円安になればリスクが大きいため、場合によっては対応しないといけなくなる」と述べていた。しかし、政策判断に重要な指標として賃金動向やトランプ次期米大統領の政策とその影響の見極めが必要、とも述べており、利上げ見送りの伏線が張られていた。

 ドル円が日銀会合の結果や植田日銀総裁の会見を受けてドル買い・円売りに拍車がかかった場合、三村財務官の円買い介入のデビュー戦の可能性には警戒しておきたい。神田前財務官による円買い介入のデビュー戦は、2022年9月22日の黒田前日銀総裁のハト派的な会見を終えた後の円安局面だった。

 ドル円のテクニカル分析での上値の目処は以下の通りとなる。
・155.55円(7月3日の高値161.95円から156.75円を経由する抵抗線)
・156.75円(11月15日高値)

(山下)
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