ニューヨーク外国為替市場概況・20日 ドル円、3日ぶり反落

 20日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反落。終値は156.31円と前営業日NY終値(157.44円)と比べて1円13銭程度のドル安水準だった。アジア市場では一時157.93円と7月17日以来約5カ月ぶりの高値を付けたものの、そのあとは週末を控えたポジション調整目的の売りが目立った。日本の政府高官から足もとの円安をけん制する発言が相次いだことで、市場では「政府・日銀による為替介入への警戒感が高まった」との声も聞かれた。
 NY市場では米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している11月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で、変動が激しい食品とエネルギーを除くコア・デフレーターが予想を下回り、米長期金利が低下。全般ドル売りが優勢となり、3時前に一時155.96円と日通し安値を更新した。
 なお、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は「今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ決定はきわどい判断だった」「一段の政策調整には慎重さが必要とのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の意見に同意する」と述べたほか、「来年の利下げは2回より少なくなる可能性がある」と指摘した。このほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は「FRBは追加利下げを実施すると想定しているものの、見通しを巡りかなりの不確実性が存在するため、今後の決定はデータ次第」との考えを示した。

 ユーロドルは続伸。終値は1.0430ドルと前営業日NY終値(1.0363ドル)と比べて0.0067ドル程度のユーロ高水準だった。米物価指標の下振れを受けて、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.48%台まで低下すると全般ドル売りが活発化。前日の高値1.0422ドルを上抜けて一時1.0448ドルまで値を上げた。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時107.59まで低下した。

 ユーロ円はほぼ横ばい。終値は163.12円と前営業日NY終値(163.14円)と比べて2銭程度のユーロ安水準。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。NY市場に限れば162円台半ばから後半でのもみ合いに終始した。

本日の参考レンジ
ドル円:155.96円 - 157.93円
ユーロドル:1.0343ドル - 1.0448ドル
ユーロ円:162.35円 - 163.66円

(中村)
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