NY為替見通し=ドル円、米長期金利の動向次第 カナダドルは米加交渉の行方に注視

 本日のニューヨーク為替市場でドル円は、米長期金利の動向を眺めながらの取引か。ただし、今月の金融イベントで米連邦準備理事会(FRB)がタカ派に傾き、一方で日銀がハト派寄りの姿勢を示したため、よほど米金利が低下しない限りはドル円の底堅さは続くだろう。

 経済指標は、12月米シカゴ購買部協会景気指数と11月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)が発表予定。前者は市場予想42.8と前回つけた約6カ月ぶりの低水準から改善が見込まれている。しかしながら、この景気指数が2カ月連続で予想を大きく下回ったことには留意しておきたい。後者の住宅指数は、前年比予想が7.9%と2021年半ば以来の水準まで上昇が期待されている。

 通常であれば、これら指標の相場インパクトはそれほど大きくない。ただ年末で取引材料に乏しく、また市場参加者も通常より少ないため、予想から離れた結果が出るようだと米債市場も神経質にならざるを得ないだろう。そうなるとドル円も、米金利の上下に追随して値幅を伴った動きとなるかもしれない。

 なおカナダ関連の報道では先週末、新たな加財務相ルブラン氏とジョリー加外相が、トランプ次期政権の高官と関税問題で協議したことが伝わった。トランプ氏は、カナダから米国への不法移民や合成麻薬の流入を理由に、来月の大統領就任時にカナダ製品に25%の輸入関税を課すと警告している。

 ルブラン加財務相は会談後の声明で、米国側と建設的な話し合いが行われ、今後も協議は継続されると述べた。しかしながら、数週間以内にトランプ氏を納得させることができるかは不透明だ。カナダ経済は米国への依存度が高く、トランプ関税を回避できないようだと、カナダドルへの売り圧力は高まってしまうだろう。

想定レンジ上限
・ドル円、7月16日高値158.86円
・ドル/カナダドル(CAD)、19日高値1.4467CADを超えると2020年3月23日高値1.4559CAD

想定レンジ下限
・ドル円、12月24日安値156.89円
・ドル/カナダドル、20日安値1.4336CAD



(小針)
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