ロンドン為替見通し=昨日の大幅安を受けてユーロドルはパリティを意識した動きになるか

 本日のユーロ圏からは、経済指標はドイツから12月の雇用統計が発表される。また、要人の予定ではレーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストの講演が控えている。

 ドイツの雇用統計は市場予想(予想:失業率6.2%/失業者数変化1.50万人)よりよほど大きくかい離しない場合以外は市場の反応は限られるだろう。また、センチメントとしてはユーロ売りに反応がしやすいことで、ポジティブサプライズよりもネガティブサプライズの方が敏感に反応すると思われる。

 レーンECB専務理事は米サンフランシスコで「地政学の分断」についての講演が行われる予定。ただ、これまでレーン氏は「米通商政策などを巡る不確実性が高い中、政策は会合ごとに決定」と発言をしていることもあり、市場に今後の金融政策についてのヒントとなる発言を期待するのは難しそうだ。

 欧州からは市場を動意づけるにはインパクトに欠けるものしかないが、昨日は昨年12月に複数回トライをしたが跳ね返された11月22日の安値1.0335ドルを割り込み、2年2カ月ぶりの水準となる1.0226ドルまで下げ幅を広げた。よって、ユーロ売りのトレンドは継続される可能性が高く、昨日は辛うじて割り込めなかった2022年11月21日安値1.0223ドル、同月11日安値1.0163ドルなどを割り込んだ場合には、パリティ(1ユーロ=1ドル)まで支持水準がなくなることでダウンサイドリスクには要警戒となりそうだ。

 なお、NY入り後には12月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数や、連日大きく振幅しているロンドンフィキシングが注目される。


・想定レンジ上限
 ユーロドル:日足一目均衡表・転換線1.0342ドル。
 
・想定レンジ下限
 ユーロドル: 2022年11月11日安値1.0163ドル。


(松井)
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