NY為替見通し=ドル円、株価や米長期金利を眺めながらか ユーロは独CPIに注目

 本日のNY市場でのドル円は、10日の12月米雇用統計を前に手掛かり材料視されそうな経済イベントが少ないことから、明確な方向感は出にくいか。米長期金利や米国株をながめ、方向感を模索する展開と見る。

 米10年債利回りは、足もとで4.62%台に上昇して昨年12月後半に付けた4.63%台に迫っている。もし4.64%台に乗せると昨年5月2日以来の水準となり、ドル円を押し上げることも考えられる。なお、27時には米3年債入札が予定されている。

 一方、米国株については、前週末は主要3指数そろって上昇したとはいえ、例年株価上昇確率が高いサンタクロース・ラリー(年末最終の5営業日と新年の2営業日)は、3指数いずれも下落している。週明けの株式市場の動きも気になるところであり、株安局面ではドル円の重しとなりそうだ。

 経済指標は、NY時間に12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表予定だが、今回は改定値。予想から大きく乖離しないと材料視されにくいか。市場予想は速報値から変わらずの58.5となっている。

 要人講演では、クックFRB理事の発言機会が予定されている。同氏はややハト派とされており、金利や経済見通しについて言及があれば材料視されるかもしれない。もっとも、20日にトランプ氏の米大統領就任を控えており、市場では大統領就任後の政策を見極めたいとのムードが漂う中、FRB理事の発言では余程のことがない限りは市場を動意づけるのは期待薄かもしれない。

 他方、ユーロドルでは、NY序盤に発表される独12月消費者物価指数(CPI)・速報値に注目したい。市場予想は前年比+2.4%と、3カ月連続での上昇が見込まれている。ユーロドルは2日に2022年11月以来の安値となる1.0226ドルの安値をつけた後は持ち直す動きとなっている。欧州時間に発表された仏・独・ユーロ圏の12月サービス部門PMI改定値がいずれも上方修正されたことでユーロが強含みとなる中、予想を上振れる場合は一段とユーロが買い戻される展開も考えられる。


想定レンジ上限
・ドル円は、昨年12月26日高値158.08円。超えると同年7月17日高値158.61円。
・ユーロドルは、日足一目均衡表の基準線1.0428ドル。

想定レンジ下限
・ドル円は日足・一目均衡表の転換線157.05円。割りこむと2日安値156.44円
・ユーロドルは、朝方に付けた本日安値1.0295ドル。

(川畑)
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