NY為替見通し=市場参加者が少ない中、米指標や要人発言に注意

 本日、米国はカーター元大統領死去に伴い、株式市場が休場となるほか、債券市場は短縮取引となっているなど、市場参加者の減少が見込まれる。そうした中、NY市場では経済指標の発表や要人発言が予定されており、これらに注意を払う必要がありそうだ。

 経済指標について、12月米チャレンジャー人員削減数が発表予定。前回は前年比+26.8%であった。直近で発表された主な雇用関連の指標を振り返ると、11月雇用動態調査(JOLTS)求人件数は予想より強い結果となったが、12月ADP雇用統計は予想より弱い結果となるなど、強弱まちまちとなっている。直後の市場は前回比での強弱に呼応した上下が見込まれるが、本日は市場参加者が少ない分、振幅が大きくなる恐れがある点には注意したい。

 また、本日は複数の要人発言が予定されている。いずれもタカ派的ではあるが、その中でも今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)での投票権を有するコリンズ米ボストン連銀総裁やシュミッド米カンザスシティー連銀総裁の講演は気になるところ。そのほか、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事の講演も予定されている。金融当局者の発言を通して、経済や金利見通しについて言及があれば材料視されるだろう。

 他方、英国ではブリーデン英中銀(BOE)副総裁の講演も予定されている。昨日の英10年債利回りは2008年以来、30年債は1998年以来となる水準まで上昇(価格は下落)したほか、本日も英国債売りが継続するのではないかとの不安感からポンド売りが強まる場面が見られた。背景には、トランプ米大統領就任後にインフレ加速と財政赤字拡大が見込まれる中で米長期金利が上昇し、これに反応して英国債利回りも上昇していることが挙げられる。また、英国内の事情では、2024年秋に示された予算案を踏まえて国債の増発懸念がくすぶっていることなども債券相場の重しとなっている。こうした中、金融政策や金利見通しについて言及があるか、気になるところである。

 そのほか引き続き、トランプ次期米大統領に関する発言や、本邦金融当局者からの円安けん制発言に対する警戒も怠らないようにしたい。


想定レンジ上限
・ドル円は、昨年7月17日高値158.61円
・ポンド円は、21日移動平均線196.15円

想定レンジ下限
・ドル円は日足・一目均衡表の転換線157.29円
・ポンド円は、昨年12月13日安値192.86円

(川畑)
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