株式明日の戦略-期待の星の半導体株が大幅安、目先は不安定な地合いが続くか

 14日の日経平均は大幅に4日続落。終値は716円安の38474円。東京市場が休場の間、米国では12月雇用統計が強い内容となったことで、長期金利が上昇。10日の米国株は大幅安となった。週明け13日はダウ平均とS&P500は上昇したが、米国の利下げに対する期待が後退する中、3桁下落スタート。米金利の上昇を嫌気して半導体株が軒並み大幅安となった。

 39000円近辺でいったん下げ渋ったものの、握力がなくなったかのように崩れ始め、9時台半ば辺りからは売りが売りを呼ぶ展開。序盤では半導体株以外には買いも入り、TOPIXは一時プラス圏に浮上したが、地合いが悪化する中で値下がりに転じる銘柄が増加した。800円超下げて38300円台に入ったところで売り圧力が和らぎ、13時辺りからは値動きが落ち着いたが、戻りは鈍く安値圏で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆5500億円。業種別では鉱業、保険、石油・石炭などが上昇した一方、電気機器、機械、ガラス・土石などが下落した。1Qが大幅な増収増益となったエヌ・ピー・シー<6255.T>が買いを集めてストップ高。半面、弱い半導体株の中でも下げが大きかったアドバンテスト<6857.T>が9.2%安となり、1銘柄で日経平均株価を約251円押し下げた。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり262/値下がり1343。IHI、任天堂、東京海上などが逆行高。上方修正と増配を発表した良品計画が4%超上昇した。上期が大幅な増益となったコスモス薬品が急伸。3Q決算が好感されたPRTIMESが2割近い上昇となり、プライムの値上がり率トップとなった。

 一方、アドバンテスト以外にも、東京エレクトロン、ディスコ、レーザーテックなど半導体株の多くが大幅安。ソフトバンクGやファーストリテイリングなど指数寄与度の大きい銘柄も弱かった。米長期金利が上昇しても三菱UFJや三井住友など銀行株が軟調。フジクラ、古河電工、サンリオなど、昨年市場からの評価が高まった銘柄に値幅を伴った下げとなるものが多かった。

 日経平均は大幅安。半導体株が下げを主導した。2025年に入ってからきょう14日までの6営業日では、決算や月次などの材料があったものを除いては半導体株くらいしか強い動きが見られていない。それだけに、半導体株が簡単に崩れてしまうと資金の振り向け先がなくなってくる。米国の長期金利上昇は国内金融株の買い材料にはならなかったし、リスク回避ムードが強まる中では新興銘柄も手がけづらい。20日の米大統領就任式を通過するまでは、指数の不安定な動きが続きそうだ。

 米国では本日、12月の生産者物価指数(PPI)が発表される。あす15日には消費者物価指数(CPI)が発表となるだけに、PPIが強かった場合、CPIに対する警戒も高まる。PPIが弱く米国の長期金利が低下したとしても、それだけではCPIに対する警戒は拭えないであろうから、あすの日本株には腰の入った買いは期待できない。上昇した場合でも、高くなれば戻り売りが出てくるだろう。日経平均のきょうの終値は38474円。安値は38305円で26週線(38351円、14日時点)近辺では切り返しているだけに、38500円近辺で下値が固くなってくるかに注目しておきたい。
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