株式明日の戦略-反落も下げ幅は縮小、半導体株が再び相場の主役に

 8日の日経平均は反落。終値は102円安の39981円。米国で長期金利が上昇してナスダックが弱かったことを嫌気して、200円超下げて始まった。ただ、エヌビディアの大幅安を受けても半導体株の動きが良く、序盤に300円超下げたところで売りは一巡。前引けにかけて値を戻し、13時近辺ではプラス圏に浮上した。値下がり銘柄が多くプラスは定着しなかったものの、以降は小安い水準で底堅く推移。クロージング・オークションに入った時点では4万円を上回っていたが、大引けにかけての動きがやや弱く、終値では4万円を下回った。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆4600億円。業種別では海運、精密機器、非鉄金属などが上昇した一方、保険、その他金融、証券・商品先物などが下落した。半導体株の多くが買われる中、アドバンテスト<6857.T>が3%を超える上昇。節目の1万円を上回り、上場来高値を更新した。半面、直近で騰勢を強めていた野村マイクロ・サイエンス<6254.T>は、序盤では強く買われる場面もあったが終盤にかけて値を崩し、5%を超える下落となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり389/値下がり1217。半導体株が軒並み強く、ディスコ、レーザーテック、TOWAが大幅上昇。キオクシアHDが12.3%高と値を飛ばした。半導体以外の主力どころでは、楽天Gや日本郵船などの動きが良かった。月次が好感されたジンズHDが急伸。証券会社が投資判断を引き上げためぶきFGが買いを集めており、地銀株全般に資金が向かった。

 一方、防衛関連が弱く、IHIが3%を超える下落。地銀株が買われた一方で、東京海上、MS&AD、SOMPOの損保大手3社がそろって大きく売られた。売り出しを発表した丹青社が6%安。月次が失望材料となったアダストリアやインターメスティックが急落した。

 日経平均は反落。ただ、米国動向から逆風が予想された半導体株は、きのうに続いて強い動きを見せた。見切り売りは昨年のうちにある程度出尽くし、年が変わったことで需給に変化が出てきた可能性がある。東京エレクトロンは安値圏のもみ合いを脱したように見えるし、アドバンテストに至っては上場来高値を更新してきた。米長期金利の上昇には注意を払う必要があるが、半導体株が下がりづらくなるのであれば、日本株の下値不安は大きく後退する。指数は大崩れを回避し、4万円付近で取引を終えた。昨年12月27日以降、5営業日中4営業日で場中には4万円を上回っているだけに、あすは4万円より上で値を固める展開に期待したい。
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